タグ

ブックマーク / hsyf610muto.seesaa.net (61)

  • でも、勝ちたかった: 武藤文雄のサッカー講釈

    私は、CKを蹴る田圭祐のはるか後方2階席にいた。 田のキックがやや甘く、ベルギーGKクルトワが飛び出し、パンチングではなく、キャッチしようとする体勢なのがよく見えた。クルトワが捕球する直前、聞こえるわけがないが、私は絶叫した。 「切り替えろ!」 日の選手達も同じ考えなのはよくわかった。しかし、赤いユニフォームの切替が、青い我々の戦士よりも、コンマ5秒ほど早いのも、よく見えた。その約10秒後、反対側のゴールで、若い頃からの夢が完全に実現するのを目の当たりにすることになる。そして、このコンマ5秒差こそ、ここ25年間ずっと抱き続けてきた「近づけば近づくほど、具体化されてくる差」そのものだったのだ。 私のワールドカップリアルタイム?経験(実際には1日半遅れの新聞報道をワクワクして待って行間を夢見る日々だったが)は、クライフとベッケンバウアの西ドイツ大会から。大会終了後、サッカーマガジンとイレ

  • 最高のエンタティンメント: 武藤文雄のサッカー講釈

    腹は立っている。 しかし、このUAEに対する苦杯を反芻してみると、改めて、サッカーの奥深さを色鮮やかに感じることができ、ワールドカップと言う私の人生にとって最高のエンタティンメントを堪能することに、喜びを禁じ得ないのだ。 UAEはよいチームだった。ちょっと前のこの国の代表チームは、かなりラフな反則を含め激しく守り、前線の選手の脚力に頼る速攻ばかりを狙う、発展性を感じさせないサッカーしか見せてくれなかった。90年イタリア大会に、このようなサッカーで出場権を得ていたのも、悪影響を与えていたのかもしれない。 しかし、昨年のアジアカップにせよ、この試合にせよ、今のUAEは違う。悪辣なファウルもないし、単純に縦に行くだけではなく軽妙で精度の高いショートパスは鮮やかだ。 このような状況での「上から目線」が失礼なのはわかる。でも、私は嬉しかった。「UAEが来てくれた」のだ。日韓国、豪州、イラン、イラ

  • 明日なき死闘を満喫するも: 武藤文雄のサッカー講釈

    チャンピオンシップ準決勝、ガンバが延長終了間際にレッズを振り切った。 両軍とも疲労困憊した延長終盤、これまで見事な強さと気迫でレッズの猛攻をはね返し続けていたガンバ丹羽が信じ難いバックパスミス。ここまで奇跡的なセーブで再三チームを救っていた東口が「間に合わない」と判断し、自暴自棄なオーバヘッドキックを試みるも空振り。「この見事な試合が、こんな終わり方をするのか」と誰もが思った瞬間、ボールはポストを叩いた(東口が触ってポストに当たったという説もあるが)。直後、東口は素早く前線にフィード。その逆襲速攻から藤春の得点が生まれた。 40年以上サッカーを見ているけれど、こう言った展開は記憶にない。決定機が双方に相次いで訪れて、劇的に勝負が決まるのは幾度か体験しているけれども、あれほど間抜けな自殺点もどきが起点になるとは。まあ邪推すれば、レッズイレブンがこの「棚からぼた」による決定機にぬか喜びしてし

    tacticslife
    tacticslife 2015/11/30
    ほんと、テニスのATPファイナルズみたいに、上位何チームかでトーナメントするのが一番いいと思うのだけど、そうするとやっぱ日程的にキツいんだよね。
  • ハリルホジッチさん、わかっているよね: 武藤文雄のサッカー講釈

    ハリルホジッチ氏はアジアを舐めている。 シンガポール戦にせよ、この北朝鮮戦にせよ、相手の能力を軽視し、自分の都合だけで試合に臨んでいる。さらに、状況の悪さの修正を怠っている。 誤解しないで欲しいが、私はアジアサッカーの特殊性を指摘しているのではない。むしろ、正反対だ。日の戦闘能力はアジア屈指だから、シンガポールが守備を固めてくるのも、北朝鮮がシンプルだが高さを前面に押し立ててくるのも当然の話。これはレベルこそ違え、ドイツやアルゼンチンが各大陸の大会で苦労するのとまったく同じだ。それに対して、的確な準備をせずに試合に臨み、しかも試合中に修正ができていない。これだけ実績のある監督だけに、この2試合の失態は、氏が「アジアを舐めている」が故としか思えないのだ。 開始早々、右サイドバックに起用された遠藤航の好クロスを、敵DFを振り切った武藤雄樹が押し込んだ。五輪代表の主将と、今シーズン「化けた」攻

  • 敗因はアギーレ氏にあるが、アギーレ氏はよい監督だ、任せよう: 武藤文雄のサッカー講釈

    悔しい。 日本代表を応援して40余年。重要な大会で、組織的に整然と攻撃を繰り返し、精神的に崩れずに戦い抜き、相手を圧倒しながら、堂々と敗れ去るのを見る事ができたのは初めてだった。また新たなサッカーの魅力を経験する事ができた。昨年のブラジルとは異なるサポータ冥利に尽きる敗退。現地に行かなかった己の愚かさを呪うと共に、見事な試合を見せてくれた両チーム関係者と審判団に感謝したい。 過去のアジアカップ、96年のクウェート戦にしても07年のサウジ戦にしても、チームが機能不全に陥り、好機もあまり作れずに敗れ去った(92年の初優勝前は、まともにアジアカップに参加すらしていなかった)。ワールドカップを思い起こしても、予選を含めた敗退劇のいずれも、敵を圧倒できた事などなかった。 つまりだ、私は74年のオランダ、82年のブラジル、毎回毎回のアルゼンチン、そこまでは行かないが、それに近い無常観を味わる事ができた

  • 余裕のなさが不安(ヨルダン戦): 武藤文雄のサッカー講釈

    はヨルダンに2対0で快勝、3試合を無失点で問題なくトップで準々決勝進出を決めた。もちろん、嬉しいし、日の強さも間違いないのだが、「相当強いのだからこど、もっと余裕を持って戦ったよいのに」と思うのは、私だけだろうか。 1点目は今大会の強みが存分に発揮された。長谷部の精度が高く速いボールが乾に入り、乾のちょっとした溜めから岡崎が抜け出し強烈なシュート、こぼれを全くフリーの田が押し込んだ。田が飛び込んだ時、「またポストに当てるのではないか」と思ったのは秘密だ(そしたら、終了間際、また当ててましたな)。 2点目は前掛かりのヨルダンの裏を突き、交代出場直後の武藤が清武のパスから抜け出す。よくルックアップして低く強いクロス。香川が鋭く決めた(もっとも、香川のシュートはサイドキックで狙った割にはGKシャフィの正面に飛んだ、これを名手シャフィがこぼしてしまったのだからご愛嬌かもしれないが)。 文

  • 宇佐美と遠藤爺と石崎氏による証明: 武藤文雄のサッカー講釈

    天皇杯決勝、ガンバがモンテディオに3対1で快勝。国内タイトル3冠を達成した。 正直言って試合前の気持ちは複雑だった。ガンバが3冠をとっても嬉しくもなんともない。と言う事で、典型的日人である私は判官贔屓気質はあるが、それでもモンテディオが、我々ベガルタより先にビッグタイトルを取るのには抵抗があった。典型的日人である私は心が狭いからね。ゴール裏のモンテディオサポータを見ると、その気持ちは一層格段になった。いや、単に羨ましかっただけです。 モンテディオは、立ち上がり最前線からのプレスで攻勢をかける。戦闘能力が劣るチームが、開始早々仕掛けるのは有効策の1つ。ところが、ガンバの最初の攻め込から失点してしまう。敵陣深くのフリーキックから東口が高精度のロングボール、パトリックに競り負け、宇佐美が芸術的胸トラップから鋭いシュート、GK山岸は反応するのが精一杯で、宇佐美が鋭く詰めたもの。モンテディオとし

  • 遠藤爺不在でも: 武藤文雄のサッカー講釈

    正直言って、スタメンを知った時に「今野はどうなるのだ!」と憤りを感じました。今野は宮城県出身力士。残念ながら現時点ではベガルタとは縁がないが、宮城県のサッカー界で青春を送った身としては、やはり今野は特別な存在。「広義には俺の後輩」なのです。あくまでも「広義」にはですが(笑)。 その今野が、後半から登場し、試合の流れを完全に変えて圧倒的攻勢の要因となったのみならず、得点を決めたのですから痛快な試合となりました。あのコロンビア戦の痛恨のPKの記憶を交えながら。 日は豪州に2対02対1で快勝。アジアカップに向けて、上々の試合となった。 試合展開そのものは各方面で語られている通り。前半、ワンボランチの長谷部の左右を狙われ攻勢を許す。その左右のスペースは、田と武藤が埋めなければならないが、完全に後手を踏んでしまった。武藤は若さを露呈し絞り過ぎる。田はさすがに丹念に守るが、ボールを奪ってから無理

  • 香川と本田の役割分担: 武藤文雄のサッカー講釈

    この0対6と言うスコアは大事件なはずだ。 想像してみてください。日本代表が中南米でも欧州でもアフリカでもよいけれど、やや若手主体で遠征。欧州の2番手国あるいは中南米やアフリカのトップ国に、0対6で敗れたとしたら。どんな思いをするでしょうか。そして、どんな騒ぎになると思いますか。昨年、セルビアやベラルーシに敗れただけでも「この世の終わり」と唱えた方もいたが、それどころではないでしょうな(その割に大会でコロンビアに1対4で完敗すると、「日は元々弱かった」、「負けて当然」と、同じ人が唱えているように聞こえるのは、気のせいでしょうかね)。 まあ、さておき。この試合は、ホンジュラスにとっては悲惨な試合となってしまった。日国内の国際試合ではたまにこのような試合がある。2008年のエジプト戦とか、2009年のチリ戦とか、同じくベルギー戦とか。こういう試合は、敵方の悲嘆度合を想像すると愉しいのだな。

  • ホンジュラス戦前夜2014: 武藤文雄のサッカー講釈

    明日はホンジュラス戦。考えてみれば、アギーレ氏就任後これで5試合目、見事に中南米勢のみと戦っているのだなと考えると、面白い。あるいは、日協会のマッチメークの苦労が偲ばれる。まあいいや。 さて、アギーレ氏の帰国問題も色々議論になっている。そりゃ、日本代表サポータとしてはおもしろくない。また、アジアカップに向けて「選考」される立場の選手達も、モヤモヤを感じるであろう。アジアカップメンバに選ばれるかどうかは、Jでプレイする選手達にとってはオフなり来シーズンに向けての準備を大きく左右するし、欧州でプレイする選手達にとっては自チームを長期離脱するかどうか非常に微妙。現実的に、J組ならば西川、森重、武藤、たぶん柴崎、塩谷あたり、欧州組ならば岡崎、内田、田、まあ香川、細貝あたりは、当選確実だろうが、それ以外の選手は、落ち着かない気持ちのはず。そう言う折の合宿に、監督不在と言うのは、チーム作りと言う意

  • 凡人にはつらい議論: 武藤文雄のサッカー講釈

    先日も述べたが、アギーレ氏の意表を突く選手選考と選手起用、それはそれで愉しい。 遠藤爺、今野、長谷部、トヨクバの選考は、アジアカップに腰を入れると言う視点ではわからなくはない。 これまでの4試合とその準備合宿である程度の見極めを行い、そこに足りない要素として経験と実績豊富なヴェテランを復帰させる。元々、ワールドカップの半年後にアジアカップをする日程そのものが間違っているのだ。しかし、いくら間違っているとは言え、それに文句を言ってばかりいては、現実に目を背ける事になる。アジアカップは、何があっても優勝を目指す大会だ。そのためには、34歳になる遠藤翁を含め、総動員体制で臨む事に異議はない。そして、その選考は予想の範囲内だった。 しかし、細貝の不選考と、乾の選考は予想外だった。 アジアカップの前には、もうこの2試合しかない。遠藤爺らの呼び戻しを含め、レギュラ候補の選手との組み合わせを整理するの

    tacticslife
    tacticslife 2014/11/07
    確かに理解しがたい部分があるのは事実。/アジアカップでのノルマがあるのかどうか。
  • セレソン戦を前に2014: 武藤文雄のサッカー講釈

    ユース代表の日韓戦勝利については別途。当によく闘った選手諸兄の奮闘に感謝すると共に、(人たちもよくわかっているだろうが)「次に勝たなければこの勝利は何の意味もなくなってしまう」と言う当たり前の事を書き留めておく。 今を去る事37年前、金田喜稔、木村和司、山昌邦らを擁する日ユース代表は、アジアユース大会準々決勝で韓国と対戦。0対0で延長を終えたPK戦で、GK柳楽雅幸(現台湾女子代表監督)の活躍で韓国を振り切った。しかし、続く準決勝、地元イランと対戦、木村が先制ゴールを決めたものの、PKで同点とされ、終了間際に決勝点を奪われて敗退。FIFA主催の第1回ワールドユースの出場権を逸している。全ては次戦にかかっている。ドーハの悲劇よりは、こっちを引用するのがよいかな、と思って。 と言う事で、日本代表。 ジャマイカ戦は何とも微妙な試合となった。 確かに相応に皆がよかった。岡崎は相変わらず凄い。

    tacticslife
    tacticslife 2014/10/14
    アギーレが「何をしたいのか、わからない」というのは、同意。
  • アジアカップに間に合うのか: 武藤文雄のサッカー講釈

    コロンビア戦の崩壊の感動が、あまりに大きかった事を言い訳に作文をサボっていました。さすがに、監督が代わり、有料のA国際試合が行われているのに、これではまずいと反省しております。崩壊大感動についても鋭意作文準備中ですが、日々のあれこれも可能な限り、真面目に作文していこうと思います。 と言う事で、ウルグアイ戦。 ホームとは言え、先方はワールドカップ大会から継続してきたチーム、当方は(是非はさておき)既存のチームを大幅に作り替えようとしている現況。ちょっと残念なミスからの2失点だったとは言え、負けた事は仕方がないだろう。また、アギーレ氏がこの試合のようなやり方を継続するかどうかもわからないので、今日の1試合で、どうこう語るべきでもないだろう。 と言う事で、雑感を並べてみたい。 パスの名手が起用されなかった。 中盤の3人。アンカーは来CBの森重(この日の使われ方はフォアリベロと言う見方もあるか

  • 本田圭佑のはじまり: 武藤文雄のサッカー講釈

    ギリシャ戦。大変陳腐な言い方になってしまうが、鍵を握っているのは、田圭佑のプレイにある事は間違いない。 コートジボワール戦の先制点は、個人能力による得点という視点から言うと、日本代表史に残る一撃だった。スローインからの長友と香川の巧妙なつなぎを受け、非常に深い右足の持ち出しで、利き足の左足で強いインステップキックができるポイントに正確にボールを置く事に成功、一瞬バランスを崩しながらも強烈にゴールキーパのニアサイドを破った。田と言う選手の、繊細な技巧と体幹の強さが、組み合わされた実に美しい得点だった。 そもそも、過去の日本代表において、このような個人能力の冴えだけで、敵DFを粉砕し得点できるタレントは、過去もカミカゼ釜とドラゴン久保しかいなかった。しかも田は、この強烈な一撃を、よりによってワールドカップ大会で決めてくれたのだから。 いや、この時点で感じた未来への極めて明るい雰囲気は

  • 自滅だから立て直しは容易だ: 武藤文雄のサッカー講釈

    思うに任せないからサッカーおもしろい。ただ、ここまで思うに任せないサッカーを見せられるとは思ってもいなかった。 初戦で負けたと言う結果はとても残念だ。しかし、結果以上に残念だったのは、この4年間継続して強化してきた、素早いパスを回すサッカーを放棄してしまった事だ。対戦相手のコートジボワールがよさを消してきた訳でもない。ただ、日の各選手が、押上げを怠り、パスコースを作る努力をせず、自分たちが得意なサッカーをしようとしなかった。 逆転を許した後、今こそ粘り強くボールを回していやらしく攻め込まなければならないのに、淡泊な縦パス主体の攻撃しか狙わない。さらに驚いたのは、終盤吉田麻也を前線に上げ、パワープレイに出た事。チーム全体が、得意なプレイを意図的に放置してしまったのだから、残念だった。 そのような試合ができなかったのには2つの要因があると思う。 1つはあまりに慎重過ぎた事。前半立ち上がりか

  • コートジボワール戦前夜2014: 武藤文雄のサッカー講釈

    まだ出発していません。 トーナメントの最後の最後まで付き合うために、初戦は回避したのです。ギリシャ戦からの参戦となります。 もう半月も前の事だが、キプロス戦翌日に、某有名新聞社会面に登場させていただいた。記事全体は「50過ぎのサッカー狂が、強くなった代表チームに目を細めるさま」を描写しており、実物よりも随分と上品なおじさんとなっていた。不満はない。実際、私はこんなに立派なおじさんではないし、もっと下品な男なのだが。ただ、「攻撃に才能あふれた選手が多い今回は歴代最強。ベスト4も夢じゃない」と声を弾ませたは、いかがなものか。記者さんが「巷では『ベスト4の可能性もあるのではないか』と言われてますが、どう思いますか?」とおっしゃるので、「1次リーグ突破確率は70%、1/16ファイナル勝利は30%、イングランドならばある程度いけそうだが、ウルグアイはちょっと厳しい、準々決勝はブラジル来るから5%くら

  • 憲剛と寿人のために: 武藤文雄のサッカー講釈

    ザンビア戦、3対3になる同点弾をらった直後、何とも言えない「ああ、またか」的な重苦しい雰囲気が漂った。 そこからのキックオフ。遠藤爺と交代した青山の「一発やってやろう」と言う表情は、中々のものだった。そして、キックオフ直後の、青山得意の鋭く深い縦パス、大久保の完璧なトラップからの一撃。凄い得点だった。もうあれを見てしまうと「守備がどうのこうの」と言った議論は飛び去ってしまったのは、1つ前のエントリで講釈を垂れた通り(まあ、ひどい守備だったけれどもねえ)。 ともあれ。 あの青山の高精度縦パスにせよ、大久保の超弩級弾にせよ、それぞれJで見慣れた光景ではあった。青山の速射砲の受け手は佐藤寿人、大久保へのセンチメータパスの出し手は中村憲剛と言う違いはあるものの。そして、(前回も述べたが)あのような攻撃を防ぐ手段はカンナヴァーロしかないのだ。 青山、大久保が共にプレイするのは、今回の代表チームが初

  • ザッケローニ氏の選択: 武藤文雄のサッカー講釈

    細貝の落選はビックリした。全く予想していなかった。 過去5回のワールドカップメンバ発表で、一番のサプライズではないか。2002年の波戸落選にも驚いたが、このケースは「なぜフィリップは明神ではなくて、波戸を起用するのだろうか?」と言う疑問が常にあった。しかし、今回の細貝落選は全く予想していなかった。長谷部の負傷もあったから、青山の選考は驚きではないが、その場合はボランチを5人選び、センタバックかサイドバックか攻撃的MFを減らすと思い込んでいた。細貝はDFのいずれのポジションも巧みにこなせるのだし。 私はザッケローニ氏を信頼している。しかし、当に細貝不在で大丈夫だろうか。蛍は相当タフなプレイを継続するだろう。結果として出場停止をらう可能性は低くない。また、遠藤爺と負傷上がりの長谷部の肉体負荷を極力減らす必要もあるはず。そうこう考えると、中盤後方で確実に計算できる細貝は非常に貴重な存在となる

  • 完璧な勝利: 武藤文雄のサッカー講釈

    ベガルタは敵地でセレッソに1対0で勝利。柿谷とフォルランの強力2トップに苦しみながらも粘り強い守備で対抗。試合終盤の狙い通りの速攻で決勝点を奪う、完璧と言ってよい勝利だった。 序盤セレッソの鋭い出足によるプレスに押し込まれる。ボールを奪っても山口蛍の刈取りと、扇原の的確な展開で攻め返される。そのため、両サイドバックが上がれず、攻め返せない。しかし、それでもDFとMFで8人のブロックを作り、修正を繰り返して粘り強く守る。中でも富田と武井の位置取りは絶品だった。さすがに柿谷とフォルランの個人技は持て余し危ない場面を作られるが、鎌田と広大は丁寧に身体を寄せて何とか防ぐ。 そうこう我慢を続けていれば、守備にリズムが出てきて攻撃も円滑になる。サッカーと言う競技は、そのようにできているのだ。 30分以降、ベガルタはウィルソンを軸にした逆襲が奏功し始める。中でも40分の決定機は惜しかった。左オープンで受

    tacticslife
    tacticslife 2014/05/11
    ポポにはどうもモイーズ臭が…。
  • とにかく守備の再構築を: 武藤文雄のサッカー講釈

    ベガルタはレッズに0対4で完敗。結果も悲しかったし、内容も乏しいものだった。しかし、それ以上にこの難敵と闘うべきゲームプランに失望した。 レッズと敵地で戦う。難しい試合になるのはわかっている事。ただ幸い、ペトロビッチ氏は相手によって極端にやり方は変えてこない。だから、相手のよさを消す試合をするのが定石と言うもの。ところが、ベガルタは思うように勝ち点を上げられていないためだろうか、あまりに自分位のゲームプランで試合に臨んでしまった。 レッズの攻撃は3シャドーの連係と、両翼が張り出す所に特徴がある。中でも脅威は言うまでもなく原口。昨季終盤よりすっかり安定感を増し、長いドリブルの後の細工が絶妙になってきている。どんなチームでも、原口を加速させないように注意して試合に臨んでいる。そのためには、柏木なり興梠を厳しくマークし、原口にボールを出させない工夫が必要。って、どこのクラブで心がけている事だよ