象の群れに仕事場をこわされてしまったオツベルは、それにめげずに新しい会社を始めた。ところが、その会社に突然就活生が現れた。この就活生はどうなるのだろうか。 注意書き この物語はフィクションです。なお、オツベルが象とたわむれた話については『青空文庫』の「オツベルと象」をご覧ください。 本文 第十一日曜 オツベルときたら大したもんだ。この前、象の群れに仕事場を壊されたと思ったら、また新しい器械を何台も据えつけて、新しい商売をはじめている。 十六人の社員どもが、目を充血させながらキーボードをたたき、スパゲッティのようにこんがらがったプログラムを片っぱしからつくっていく。プログラムのソースはどんどん下っ端に投げられて、また新しいスパゲッティコードができる。そこらは、インスタント食品やら泊まりこむための寝袋やらで、まるで戦場のようだ。 カップ麺のにおいのするその仕事場を、オツベルは、大きな中国製のタ