これまでとは次元の異なる事態──。2019年秋、菅義偉官房長官は「ヒアリの侵入」を巡り、そう言及した。同年10月の調査で、東京・青海ふ頭で約750匹の働きアリとともに、大量の卵を産む女王アリ56匹が見つかり、ヒアリが我々の生活圏まで侵入してくる可能性が高まったのだ。春を迎えてこれから気温が上昇し、ヒアリの活動が活発化する。水際対策の最前線に迫った。(ライター:中村計/撮影:菊地健志/Yahoo!ニュース 特集編集部) 「ごきぶりホイホイ」ならぬ「アリホイホイ」のような趣だ。木の根元に置かれた小さな黄色い長方形のボックスには、前後左右に入り口があり、入ると粘着質の床に脚の自由を奪われる仕掛けになっている。下面にまかれている粉状の物体は、ポテトチップスを粉砕したものだ。油っこいものがアリの好物なのだ。
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