[1]ブラック自治体と非正規公務員の現状 ~地方自治体で働く公務員の3分の1は非正規 上林陽治 地方自治総合研究所研究員 6年半で67回の雇用主の切り替え 「約6年半に及ぶ本件勤務期間中、任命権者(長崎県知事あるいはその委任を受けた交通政策課長ら)は、原告を臨時的任用職員として2か月程度の間を空けながら繰り返し雇用して地方公務員法22条2項の趣旨に反する取扱をし、指揮命令や労務管理を行う立場にあった職員は、原告を、被告(長崎県)及び本件外郭団体の両方の業務に従事させて部分的に職業安定法や労働者派遣法に反する取扱をしていた」(カッコ内は筆者による)。 2016年3月29日、長崎県と関連外郭団体の間で雇用主を約2か月ごとに切り替えたのは違法として、同県の元臨時職員の40代女性が県に約420万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、長崎地裁の田中俊行裁判長は、冒頭の考えを説示した上で、精神的苦痛を