前回、システム化を構想・企画するときに、最低限の認識が必要ではないかということで、“要求”に関して認識を一致することを提案した。ただし、最終的に抜けのない、きちんとした企画書を作るためには、構想・企画フェーズのプロセスや技法、成果物が決まっていることが望ましい。 しかし、現状はそうなっていない。情報システム部門の年度計画の時点で記述されている大まかな情報システムの構想書から、事業部門およびシステム部門の担当者が中心になって、できる範囲で提案依頼書(RFP)を作成する。そして、RFPに基づいて提案を提出してくれたベンダーの中から、最も良いと思われる開発提案を選び、選んだベンダーと一緒にシステム開発を行うことが一般的な進め方である。 このような進め方で、本当にビジネスに役に立つ情報システムを構築することができるのだろうか。構想・企画のフェーズにおいて、各担当者の進め方に任せてしまうと、どうして