【ミュンヘン(ドイツ南部)=高山晶一】先進七カ国(G7)首脳会議(サミット)は八日(日本時間同日)、中国を念頭に、東シナ海と南シナ海での力による「現状変更の試み」への反対などを盛り込んだ首脳宣言を採択して閉幕した。安倍晋三首相はその後、内外記者会見に臨み、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認などを含む安全保障関連法案に関し、憲法学者から「違憲立法」との指摘が相次いでいることに対し「憲法の基本的論理は全く変わっていない」と反論し、法案撤回にも言及しなかった。 首相は法案が合憲との根拠について一九五九年の最高裁による砂川事件判決を挙げ「わが国の存立を全うするために自衛の措置を取りうることは国家権能として当然のこと」と指摘。その上で今回の集団的自衛権の行使容認に関し「他国の防衛を目的とするのでなく、最高裁判決に沿ったものであるのは明白」と述べた。 砂川事件は五七年に東京都砂川町(現立川市)の
「偉そう」とか「人を見下している」などの意味で若い方が使う<上から目線>という表現がいつ頃から使われだしたか知らないが、ずいぶんと広まったものである▼一九九〇年代にはなかったと記憶する。視線を意味する目線なる日本語はもともとはなかったそうで演劇、映画の専門用語というから、そちら方面から生まれたか▼人間の「上から目線」には我慢もするが、無人機による「上から放射線」である。首相官邸の屋上に小型無人ヘリのドローンを落下させた人間がいる。ドローンから微量の放射性物質が検出されたという▼人体には影響のないレベルとはいえ、原爆、原発事故の忌まわしい過去を背負わされた日本人の神経をとりわけ逆なでする不快な物質である▼「無人機」というが、それを遠隔操作したのは紛れもなく人間である。「無人」どころか、人間、しかも曲がった人間の心の存在を意識させる行為である。その人間はどこかに身を潜め、無人機を飛ばし、世間が
政権の継続が決まった衆院選を受け、安倍晋三首相は十五日に記者会見し、自ら争点に設定した経済政策「アベノミクス」だけでなく、政権公約に盛り込んだ改憲や原発再稼働の推進も支持を得たとの考えを示した。だが、今回は九条改憲や原発再稼働に前向きな勢力は数を減らしている。改憲や再稼働を進める首相の路線に有権者が全面的に賛同したとは言い難い。 (上野実輝彦) 首相は会見で、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更の閣議決定に関し「(今回選挙で)支持を頂いた」と明言した。改憲も「国民的理解と支持を深め広げていく」と強調。原発についても「安定した低廉なエネルギーを供給していく責任がある」と述べた。こうした政策を公約に盛り込んだことに触れ「約束を進めていく義務がある」との姿勢を示した。 だが、九条改憲に積極的な自民党と次世代の党を合わせた議席は、公示前は衆院での改憲発議に必要な定数の三分の二に迫る三百十四あっ
東京電力福島第一原発から海洋への放射性セシウム汚染問題で、東電は測定時間が極めて短い簡易の分析で「検出せず」と公表してきた。ところが、詳細分析の結果では、その七、八割でセシウムが含まれていることが分かった。虚偽の公表とは言えないが、汚染は続いていないかのような誤解を与えかねない。 東電は、福島第一の南北放水口近くで毎日、専用港の出入り口近くで週一回、海水を採取し、通常は十時間以上かかる測定時間を四十分の一程度に短縮した分析を実施。時間が短いため精度は低いが、福島第一の現状を示す数値として使っている。
日中両政府は七日、北京で十日から開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を前に、沖縄県・尖閣諸島問題に関し「(日中双方が)異なる見解を有している」ことで一致したなどとする文書を発表した。尖閣諸島問題などで両政府が一定の認識の一致に至ったことで、首脳会議期間中の安倍晋三首相と習近平国家主席の会談が固まった。第二次安倍政権で日中首脳会談が行われるのは初めて。 両政府はAPEC開催に合わせた首脳会談の実現を調整してきたが、中国側は条件として、尖閣諸島の領有権問題の存在を認めることや、安倍首相が任期中に靖国神社に参拝しないことの確約を求めていた。日本側は前提条件なしの会談を主張していた。 外務省が発表した文書は、六~七日に訪中した谷内正太郎(やちしょうたろう)国家安全保障局長が楊潔〓(ようけつち)国務委員と会談し、合意した内容を盛り込んだ。尖閣諸島問題に関し「近年緊張状態が生じてい
朝鮮人強制連行犠牲者の追悼碑の裏側には「多くの朝鮮人が全国の鉱山や軍需工場などに動員され、この群馬の地においても、事故や過労などで尊い命を失った」と記されている=群馬県高崎市で 戦時中の朝鮮人強制連行犠牲者追悼のため、群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」に市民団体が設置した碑をめぐり、県が団体に撤去を要請したことが十一日、分かった。二〇一二年に碑の前での追悼集会で設置許可条件に反する政治的発言があったとして、県が許可の更新を保留していた。県は撤去理由を明らかにしていないが、市民団体は発言のためと考えており、「なぜすぐに撤去になるのか」と拒否している。 (菅原洋) 十一日に県と協議をした市民団体が記者会見し、明らかにした。県も記者会見したが、「設置許可をどうするか審査中で、予断を与えるため、話し合いの中身は答えられない」とした。団体によると、協議でも県は理由を説明しなかったという。
東京都議会で塩村文夏(あやか)都議(35)=みんなの党=が女性を蔑視する複数のやじを受けた問題で、都議会は定例会最終日の二十五日、やじの発言者に自ら名乗り出るよう求める決議案を否決した。やじの一部は鈴木章浩都議(51)=自民党会派を離脱=が認めたが、「他のやじを聞いた議員がいない」とする最大会派の自民が反対した。発言者を特定せずに、「再発防止」「信頼回復」を語るだけで幕引きを図る都議会の姿勢に、国内外の批判が高まるのは必至だ。 本会議では、やじの発言者を特定して議員辞職を求める共産党提出の決議案、続いて、発言者特定を求める民主党、みんなの党提出の決議案が採決されたが、いずれも否決された。 その後信頼回復に関する決議案が都議会の過半数を握る自民、公明両党に民主など三会派も加わり計五会派で共同提出され、賛成多数で可決された。「不規則発言は誠に遺憾。二度とこのようなことが起こらないよう、都議会
千葉県白井(しろい)市が、市民団体などが開く集会やイベントの共催・後援要件を厳しくする規約改定を行い、本年度から憲法や原発など世論を二分するテーマの行事は事実上、後援しない方針を決めた。市が後援した護憲団体主催の講演会に対する保守系市議の批判に配慮した。自治体が「政治的中立」を理由に市民団体が主催する憲法の集会などの後援申請を拒否するケースは長野県千曲(ちくま)市や神戸市などで相次いでいるが、他の自治体にも自主規制が波及している実態が明らかになった。 (三輪喜人) 四月一日付で改定された規約は、白井市と市教育委員会の「行事の共催及び後援に関する規程」。これまで「政治的・宗教的目的を有する行事」の共催・後援を認めてこなかった。
NHKがキャロライン・ケネディ駐日米大使のインタビュー取材を米国大使館に申し込み、調整を進めていたところ、経営委員を務める作家百田(ひゃくた)尚樹氏の東京裁判や南京大虐殺をめぐる発言を理由に大使館側から難色を示されていたことが十四日、複数の関係者の話で分かった。 NHK広報部は「取材・制作の過程に関わることについては回答を差し控える」とコメント。米国大使館は「大使のスケジュールはお話ししないことになっている」としている。
政府の法令解釈を担当する小松一郎内閣法制局長官が検査入院で長期不在のまま、国会審議が続いている。六日には、法制局次長が事務代理として初めて国会で答弁する異例の事態となった。安倍晋三首相は四月予定の有識者懇談会の報告を受けて、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の見直しを進めたい意向だが、法制局長官の不在が続けば、首相が描くスケジュールが変更を迫られる可能性がある。 (大杉はるか) 内閣法制局の横畠(よこばたけ)裕介次長は六日の参院予算委員会に出席。社民党の福島瑞穂氏から集団的自衛権行使の憲法解釈について問われると、「憲法で許されるとする根拠が見いだしがたく、政府は行使は憲法上許されないと解してきた」と従来の政府見解を説明した。一方、安倍首相は「国際情勢が変化している中で(解釈改憲を)検討している」と答えた。
川崎市の福田紀彦市長が態度を示していない朝鮮学校への補助金をめぐり、川崎朝鮮初級学校のある川崎区桜本など「おおひん地区」で、継続を求める署名活動が行われている。 当事者の在日コリアンばかりでなく、取り組むのは地域住民。地域限定で約千人の署名を集めた。「補助金は市民感情が許さない」との言葉が補助金停止に使われる中、「市民感情といっても共に暮らす地域は違う。ひとくくりにしないで」の思いを乗せ、近く市に提出する考えだ。 二十年ほど前に地域の小学校のPTA会長を務めた土木設計業の男性(64)は「町に在日コリアンはとけ込んでいる」と署名の世話人を引き受けた。地域で三十年近く続く「日本のまつり」は、多くの在日コリアンやフィリピン人らが参加。朝鮮学校が市民を招く「大交流祭」もにぎわう。
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