緊縮策などに抗議するデモ隊が警官隊と衝突(3月29日、スペイン) Nacho Cubero-Reuters 小康状態にあったユーロ不安が、1カ月ぶりに再燃している。 今回の火元はスペインだが、パターンはいつもどおり。国債の利回りが上昇して国の財政を圧迫、投資家の不安をあおり、さらに利回りを押し上げる。金融機関に対する懸念が国内の信用収縮を招き、財政はさらに弱体化する。それが国の債務不履行、金融界崩壊、ひいては欧州単一通貨ユーロやEU全体の崩壊につながる恐れがある。 先週のスペイン国債の入札が不調に終わったのを受けて米国債が買われ、ヨーロッパの国債の利回りは軒並み上昇。スペイン経済が駄目になれば、より規模の大きいイタリアやフランスの経済も確実に道連れになる。 そもそも危機が再燃したのは前回の「解決策」で何も解決しなかったからだ。欧州中央銀行(ECB)の2度にわたる長期オペは、金融危機だけに応