契約論の名著、邦訳成る。 ▼ゲーム理論とならぶミクロ経済学における流行のトピック、契約論。この分野の定番書、Firms, Contracts, and Financial Structure, Oxford University Press, 1995の翻訳。 ▼オリバー・ハートが中心となって発展させてきた不完備契約理論を自らサーベイし、わかりやすく伝える解説書となっていると共に、不完備契約理論を適用して企業の範囲や金融構造、さらには破産など多様な問題について理論の発展方向に関する視座を与える。 ▼不完備契約理論は、およそ経済取引において、すべての起こりうる状況を網羅し何が起こっても対処しうる完璧な契約を結ぶことは本来不可能であるという、極めて現実的な認識から出発する。この立場から様々な現象について議論し、さらに伝統的なアプローチが分析の対象としてこなかった「パワー」の問題まで言及される。
![慶應義塾大学出版会 | 企業 契約 金融構造 | オリバー・ハート 鳥居昭夫](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ea81e61a9dea8d11f0f0ec9a3fe8a5c8fe2f0d82/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww.keio-up.co.jp%2Fimg%2Fcover_l%2F17170.jpg)