以前は、社内の組合に駆け込めば、そこで退職勧奨が止まっていたが、最近では解雇に踏み切るようになっているという。今回のマニュアルとは別の、日本IBMの社内資料にも、「退職しない意思が固いことが確認された場合は、それ以上のアプローチは不要」という冷徹な一文があった。 しかし、能力不足による解雇は、認められるハードルが非常に高かったはずだ。労働者の同意がなければ辞めさせることが難しいからこそ、こうした自発的な退職を導くマニュアルが存在するのではなかったのか。 「今や、会社は、『みせしめ』の解雇をしてくる。たとえ負け筋であったとしても、会社が解雇までして裁判で徹底的に争う、という強硬な姿勢を示せば、勧奨の段階でスムーズに事が運びやすくなるという効果を生むからだ。日本IBMの会長が、自ら『リストラの毒味役』と言ったこともあり、次々と新しい手法を導入し、先頭を切ってチャレンジしてくる」(同) 労働者は
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