日本のモバイル決済普及率は6%――日本銀行が6月に発表した、こんな数字が話題になった。FeliCaなどモバイル決済機能があるスマートフォンの台数は増加しているものの、増加テンポはSuicaなどのカード型電子マネーの発行枚数の伸びを下回っているという。 しかしこの普及率の低さを「意外」と思うビジネスパーソンは少ないだろう。政府は2020年に向けてキャッシュレス化を進めようとしているが、現金の流通額はむしろ増えている。ATMの多さなど、既存の金融サービスの利便性が、かえってモバイル決済の“壁”となっている。 それでも、モバイル決済で頭角を現すプレイヤーはいる。例えばLINEの「LINE Pay」は、メッセージアプリ「LINE」を起点としたプラットフォームを生かし、積極的に展開している。17年5月に実施した「みどりくじキャンペーン」や香港での取り組みが功を奏し、飛躍的にユーザー数と流通額を増やし