東日本大震災の後、年に一度の帰省を自分に課している。 6年目の今回は諸事情あって、いつもより少し早めの帰省となった。 その事情のひとつが、入院中の伯母の見舞いで 「もう長くないから会ってやってくれ」と、母に懇願されたからだった。 デパートをぐるぐる回り、和菓子店で白桃と葡萄の飲むゼリーを見つけたので、それを持っていく事にした。 帰省の前夜、私は生まれて初めて胃痙攣の痛みに襲われた。 痛みのせいであまり眠れなかった。翌朝も思うように動けず、買ってあった切符の新幹線に乗り遅れた。 それでも切符をとり直し、別の新幹線に乗った。 帰省は楽しみではなく苦しみにも似た、やはり人とは違う感覚が私にはあるのだと思う。 この帰省の間、あまり食べられなかったし睡眠もとれなかった。 最悪の体調で、(私はここで倒れてしまうのではないか?)と思うほどだった。 でも、それならそれでも良かった。 故郷の空は青く澄み、海