零式艦上戦闘機(ゼロ戦)の後継機として試作機が造られ、量産前に終戦を迎えた幻の戦闘機「烈風」の初飛行80周年展が、埼玉県所沢市並木1の所沢航空発祥記念館で開かれている。同館の貴重な所蔵資料のほか、ゼロ戦に続いて設計主務者を務めた堀越二郎氏(1903~82年)の「烈風を語る」と題したインタビューの肉声(57年録音)を会場で流すなど、充実した内容になっている。(加藤木信夫) 烈風は42年、旧日本海軍から「ゼロ戦を一回り大きくし、あらゆる性能を良くするように」との厳しい計画要求を受けたという堀越氏らが設計に取りかかった。44年5月に試作機の飛行が始まり、出力不足のエンジンを交換するなど改良を施した後、同年10月の飛行で極めて優秀な成績を披露したという。 同館の資料によると、烈風はゼロ戦52型と比べて全幅が3メートル、全長は2メートル弱、それぞれスケールアップ。最高速度は時速627・8キロに達し、