プロペンシティスコア(Propensity score; 以下PS)に関するお話の後半はこの方法論に関する誤解に関してご説明したいと思います(前半をまだ読んでいない方は先に前半をお読みください)。PSはローゼンバウムとルービンが1980年代に開発した方法論であり、私はハーバード大学でルービンの因果推論を勉強し、そのフレームワークの中でPSを習いました(実際にはルービンの弟子に習い、ルービンはゲストとして1回来ただけでしたが・・・)。疫学の授業でもPSを習ったことがあり、それらを対比することでアメリカでもPSがしばしば間違って用いられていると思いました。ほとんどは1983年のローゼンバウムとルービンの論文をきちんと読んで理解していないための誤解だと思います。PSはきちんとした統計学的理論に基づいた方法論ですが、間違った方法で用いると正しい因果推論はできなくなってしまいます。PSに関する誤解を