オーストラリア南東部ビクトリア州の州都メルボルンから約150キロ東に位置する炭鉱地区、ラトロブバレー。19世紀から石炭を採掘し、電力産業が盛んな同地区で、「脱炭素化」の切り札となる水素を軸にした世界初のプロジェクトが始まった。現地で未利用のまま豊富に存在する石炭から水素を製造し、約9000キロ離れた日本に運ぶ壮大なサプライチェーン(供給網)の構築を目指す新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)助成による実証事業だ。Jパワー(電源開発)、川崎重工業、岩谷産業、シェルジャパンの4社が設立した「技術協同組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)」が中心になって進める。 4月12日にラトロブバレーで開かれた起工式典にはJパワーや川崎重工業など日豪の参加企業のほか、オーストラリアのマルコム・ターンブル首相(当時)らが出席。首相は声明で、「エネルギー資源の多様化を図る、水素サプ
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