<日本人男性には「三国志」ファンが多い。中国でももちろん人気だ。しかし日中では人気の登場人物が違っていて、日本では聖人君子のように描かれ好まれている劉備は、中国では「情けない主君」なのだ> コロナ禍の今、本や漫画の売り上げが好調だと聞く。読書に親しむ時間的余裕ができた人が多いのだろう。かく言う私も、ある漫画を何度も読み返している。「三国志」だ。 日本人、特に日本人男性には「三国志」ファンが多い。吉川英治の小説、横山光輝の漫画、1980年代のNHK人形劇、あるいは約10年前にテレビ東京で放映されていたアニメや各種のゲームなど、さまざまな媒体を通じて興味を持つようだ。ちなみに私は息子たちにアニメ版を全話見せた。 日本で長らく愛され続けている素晴らしいコンテンツ、「三国志」。元となっているのは中国の古典だ。 魏・呉・蜀の三国を中心に3世紀の群雄割拠の時代を記した歴史書の『三国志』と、それを基にし
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