15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 10:10:15.96 ID:0Dy5aldC0 「キョンくん――、はやく――ないと――来ちゃうよ」 穏やかな目覚めだった。 目覚まし時計の甲高い金属音でも妹の喧しいあだ名の連呼でもない、 どこまでも優しいメゾソプラノの美声の持ち主が、俺の耳のすぐ傍で、何事かを囁いていた。 「う……ん……?」 微睡みと覚醒の微妙な中間地点で、眠気に抗い、薄く目を開けてみる。 眼と鼻の先3センチもないところに、真っ白な壁がそそり立っていた。 頭を動かすのも億劫で、視線だけを動かすと、 どうやらその白亜は豊かな曲線を描いているらしく、 視界の端には――これはなんだろう――桜桃色の突起がある。 ほぼ無意識で鼻先を押し付けると、得も言われぬ弾力に押し返された。 加えてこのすべすべとした絹のような肌触りのよさ。 これはきっと夢だ。間