帯には「独裁と民主主義に境界はない!カエサル、ルイ14世、ヒトラー、スターリン、毛沢東、カダフィ、金正日、プーチン、さらにはIOCやマフィア、実業家まで。古今東西の100を超える独裁者と組織をケーススタディとして取り上げ、カネとヒトを支配する権力構造を解き明かした、新視点の政治論。世界独裁者マップ付き!全世界の独裁者、および独裁志望者、必携!」などと書かれていますし、出版社も亜紀書房なので、「おもしろ独裁者列伝」のようなものを想像するかもしれませんが、実はきちんとした政治学者が、かなりしっかりとした政治理論のもとに「独裁」を分析した本。 独裁者のカリスマ性などに注目するのではなく、その権力基盤のあり方に共通性を見出す理論は面白いですし、その理論の射程はかなり広いです。 「独裁と民主主義に境界はない!」というように、独裁だけでなく民主主義を考える上でも重要な知見を数多く含んだ本だと思います。