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2022年3月27日のブックマーク (8件)

  • 今週の本棚:養老孟司・評 『世界遺産 奄美』=小野寺浩・著 | 毎日新聞

    (南方新社・1980円) 自然の価値、守るということ 著者は元環境省自然環境局長。技官としての経歴をはじめ、国立公園や鹿児島県での勤務など現場の経験も長い。帯のキャッチコピーは「自然の“価値”とは何か」であり、いわば著者の畢生(ひっせい)の仕事のまとめがこのになった。著者の基的な立ち位置は、冒頭の「はじめに」に引用される「鹿児島環境学宣言」の全体に記されている。「環境問題は二一世紀最大の課題である。それは二重の意味をもっている。第一は外部にある環境の破壊であり、第二は私たちの内にあった自然に対する感性の喪失である」 「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録は直近のことであり、書のタイトルはそこからきている。しかし、その裏には、いわゆる自然との共生、つまり奄美の自然と地元民の生き方が未来の人類の生き方の参考になれば、という著者の希望が込められていると思う。

    今週の本棚:養老孟司・評 『世界遺産 奄美』=小野寺浩・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2022/03/27
    “「環境問題は二一世紀最大の課題である。それは二重の意味をもっている。第一は外部にある環境の破壊であり、第二は私たちの内にあった自然に対する感性の喪失である」”
  • 今週の本棚:川本三郎・評 『台湾文学ブックカフェ<1> 女性作家集 蝶のしるし』=白水紀子・編訳、呉佩珍、山口守・編 | 毎日新聞

    (作品社・2640円) 自分とは何かその揺れこそ魅力 このところ台湾の現代文学の紹介が盛んだ。書は「台湾文学ブックカフェ」と題された三冊のアンソロジーの第一巻。八人の女性作家の短篇を集めている。 台湾文学の大きな特色は、自分とは何かというアイデンティティーの確認にある。そこには戦前の日統治時代、戦後の国民党支配の時代、そして現代の民主化された時代という三つの時代を経てきた台湾の現代史が反映されている。 さらには常時、中国との緊張関係がある。国自身が大きく揺れている。当然、作家たちも自分の位置をどこに置いたらいいのか葛藤がある。その揺れこそが台湾文学の魅力といえようか。

    今週の本棚:川本三郎・評 『台湾文学ブックカフェ<1> 女性作家集 蝶のしるし』=白水紀子・編訳、呉佩珍、山口守・編 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2022/03/27
    “台湾文学の大きな特色は自分とは何かというアイデンティティーの確認にある。戦前の日本統治時代、戦後の国民党支配の時代そして現代の民主化された時代という三つの時代を経てきた台湾の現代史が反映されている”
  • 今週の本棚:渡辺保・評 『唐十郎のせりふ 二〇〇〇年代戯曲をひらく』=新井高子・著 | 毎日新聞

    (幻戯書房・3080円) 芝居を見た体験通して舞台再現 斬新かつ明晰(めいせき)な評論である。 唐十郎は一九八八年に長い間拠点としていた状況劇場を解散、若い俳優たちと唐組を結成。そこでの戯曲がこのの対象である。 しかしその世界は複雑怪奇、一筋縄ではいかない詩的な構造を持っているが、それを著者は実にあざやかに明快にした。 まず第一に著者は、「唐十郎のせりふ」――言葉の変化を検討する。第二に言葉の変化は、その言葉を使う人間の変化に及ぶから、当然その人間の解析になる。

    今週の本棚:渡辺保・評 『唐十郎のせりふ 二〇〇〇年代戯曲をひらく』=新井高子・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2022/03/27
    “この評論が優れているのは、著者が劇場で実際に芝居を見た体験を通して舞台を再現しているからである。その結果私たちは今、ここで芝居を見ている様な体験をする”
  • 今週の本棚:加藤陽子・評 『東京裁判研究 何が裁かれ、何が遺されたのか』=宇田川幸大・著 | 毎日新聞

    ◆『東京裁判研究 何が裁かれ、何が遺(のこ)されたのか』 (岩波書店・5610円) 全過程を再検証 組織の思惑と抵抗を活写 極東国際軍事裁判(東京裁判)は、1946年5月から48年11月まで約2年半にわたり審理が続いた。裁判の全容を知りたい場合、まずは法廷記録や速記録を読もうとするだろう。たしかに、ドイツのニュルンベルク裁判の場合、閉廷後すぐに4カ国語で速記録が刊行され、早くから読めた。だが日の場合、閉廷後20年たってようやく、全10巻、原稿用紙換算で約6万枚超の速記録が刊行されたに止(とど)まり遅きに失していた。 まして裁判は特異なプロセスで進む。開廷後は、起訴状朗読、検察側立証、弁護側反証、個人弁論、検察側反証・弁護側再反証の各段階を経て、検察側最終論告と弁護側最終弁論があり、最後に判決と宣告がくる。こうした事情もあり、長らく日では、心の中で次のように呟(つぶや)いて、自らを納得さ

    今週の本棚:加藤陽子・評 『東京裁判研究 何が裁かれ、何が遺されたのか』=宇田川幸大・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2022/03/27
    “(1)の課題を達成するため、先の速記録に加え、法務省から国立公文書館に移管された戦争犯罪裁判関係資料6003点を踏破した。この精勤と熟考の時間があったからこそ、本書を手にした私たちは珠玉の論点を読める”
  • 血縁なくても本当の家族 赤ちゃんポスト、15年後の「幸せ」 | 毎日新聞

    親が育てられない乳幼児を匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を熊市の慈恵病院が開設してから5月で15年になるのを前に、ゆりかごが設置された2007年に預けられた熊市の宮津航一さん(18)が毎日新聞の取材に応じた。里親に育てられ、今春高校を卒業。ゆりかごとは、そして家族とは何か。話を聞いた。 ゆりかごから児童相談所で数カ月保護された航一さんを引き取ったのは、熊市の宮津美光(よしみつ)さん(64)、みどりさん(63)夫だ。夫は当時、社会人や高校生になった男子5人の実子を育て、美光さんは特別なケアが必要な子供を養育する「専門里親」に登録していた。児相から迎え入れた当初、なかなか泣かない航一さんが転んだ時にみどりさんは「泣いてもいいんだよ」と声をかけた。

    血縁なくても本当の家族 赤ちゃんポスト、15年後の「幸せ」 | 毎日新聞
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    taketake89 2022/03/27
    “夫妻は当時、社会人や高校生になった男子5人の実子を育て、美光さんは特別なケアが必要な子供を養育する「専門里親」に登録していた”
  • 「米、防衛協力発展を約束」 ウクライナ外相、バイデン氏と会談 | 毎日新聞

    ウクライナの(左手前から)レズニコフ国防相、クレバ外相と会談するバイデン米大統領(右から2人目)ら=ポーランド・ワルシャワで2022年3月26日、AP ロシアが侵攻するウクライナのダニロフ国家安全保障国防会議書記は26日、「前線の状況は安定しており、キエフ近郊で反撃を開始した」と表明した。ロシア軍は25日に「東部の解放に集中する」考えを表明したが、ウクライナ側の激しい抵抗に直面したロシア軍が、戦略の変更を余儀なくされた可能性がある。 ウクライナ国家安全保障国防会議はネット交流サービス(SNS)で、ダニロフ書記の「ロシア軍が電撃的にウクライナを制圧する作戦は失敗した」との見解を発表した。 また、ポーランドを訪問中のバイデン米大統領は26日、ブリンケン国務長官、オースティン国防長官と共に首都ワルシャワでウクライナのクレバ外相、レズニコフ国防相と会談。米ホワイトハウスによると、ウクライナの領土防

    「米、防衛協力発展を約束」 ウクライナ外相、バイデン氏と会談 | 毎日新聞
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    taketake89 2022/03/27
    “ロシア軍は25日に「東部の解放に集中する」考えを表明したが、ウクライナ側の激しい抵抗に直面したロシア軍が、戦略の変更を余儀なくされた可能性がある”
  • ロシア、ウクライナ・リビウにミサイル 石油施設破壊 5人負傷 | 毎日新聞

    ウクライナ西部の中心都市リビウで26日、ロシア軍によるミサイル攻撃があり、石油備蓄基地などが破壊された。ロイター通信が伝えた。ウクライナメディアによると、露軍による包囲が続く首都キエフの近郊での砲撃被害や南東部マリウポリからの民間人の強制連行も報告されている。 現地からの報道によると、リビウ近郊ではこの日、ミサイル4発が着弾し、石油備蓄基地や軍需工場が破壊された。リビウ市内にも1発が飛来し、インフラに被害が出た。リビウ州知事はこの攻撃で5人が負傷したと明らかにした。 リビウはポーランド国境から東へ約60キロの位置にある。バイデン米大統領は攻撃当時、ポーランドの首都ワルシャワに滞在。リビウ市のサドビー市長は「(ロシアからの)バイデン氏への『あいさつ』だ」と述べ、米首脳の近隣国訪問をロシア側が意識して攻撃したとの見方を示した。

    ロシア、ウクライナ・リビウにミサイル 石油施設破壊 5人負傷 | 毎日新聞
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    taketake89 2022/03/27
    “現場には石油タンクがあることが確認された。ロシアが石油備蓄施設を標的にした攻撃を行ったとみられる”
  • 裁かれる「ふるさと納税」のエース 乱脈の果て、消えた100億円 | 毎日新聞

    「ふるさとへの恩返し」をうたい、巨額の寄付を集めた小さな港町。取り仕切ったのは「エース」とされる一人の職員だった。ふるさと納税を巡り、計約9380万円の収賄罪などに問われた高知県奈半利(なはり)町の元職員に対する判決が28日、高知地裁で言い渡される。11年間に集まった約117億円のうち、約101億円は返礼品の調達費用に消えた。ゆがんだ制度は何をもたらし、誰が潤ったのか。 太平洋に面した人口約3000人の奈半利町。2020年3月、ふるさと納税に絡む汚職事件が全国で初めて摘発された。 検察側が描く構図はこうだ。町地方創生課の元課長補佐、柏木雄太被告(43)は16~19年、両親と共謀し、豚肉などの返礼品の仕入れ・加工先として叔父夫婦の精肉店を指定する見返りに、店側から計約9200万円を受領。18~19年には元課長の森岡克博被告(47)と共謀し、水産加工会社から「アーモンド小魚」を返礼品として発注

    裁かれる「ふるさと納税」のエース 乱脈の果て、消えた100億円 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2022/03/27
    “11年間に集まった約117億円のうち、約101億円は返礼品の調達費用に消えた。ゆがんだ制度は何をもたらし、誰が潤ったのか”