――謎の中の謎に包まれた謎の国、ロシア。そんなロシアを専門家である樹海進(じゅかいすすむ)が伝える「超常現象と神秘の国ロシアシリーズ」 日本の隣国であり、広大な国土を持つ国でありながら、多くの日本人には馴染みの薄い国・ロシア。しかしロシアは1000年以上の歴史の中でキリスト教を基盤としたヨーロッパの文化と、いわゆる「タタールの頸(くびき)」の時代を通じたモンゴル帝国の支配の中で受容したアジアの文化とを織り交ぜ、世界の中でも他に類を見ないまでの、奥深い独自の文化圏を構築してきた。 多くの動乱や政変・革命を経験し、そして20世紀には科学技術や軍備の面でアメリカと対等に張り合うまでのソビエトという大国を形成させたロシアは、その激動と波乱の歴史の中で文学・絵画・建築・音楽・宗教そして哲学や演劇、はては映画にまで及ぶ多彩かつ深遠な文化を形成・発展させたが、戦争や革命によって失われた多くの人命の上に培