僕はいま文章の書き方を教わっているのだが、あるとき講師の倉園さんが創作をサウナにたとえていらして、そのお話がとても興味深かった。 サウナが心地いいのは入った直後の数分と、出た直後の数分だけで、ほとんどの時間は異常な暑さに耐えるだけの苦行だ。そんなところに僕らはわざわざ時間を使って出向き、お金を払い、密室に足を踏み入れ、じっと座って「退屈だ」「もうやめたい」という思いと戦い続ける。 クリエイターにとっての創作活動はこのサウナの苦行に似ている。自分の創っているものを退屈に感じ、もうやめたいと何度も思う。締め切りを放り出して温泉に行きたくなる。 「でもそこでぐっと踏みとどまる。席を立たずに腕を組み、目を瞑ってじっと待つ。すると書くべきことが降りてくるのだ」 と倉園さんは言う。 創作に限らず、仕事にはあらゆる苦痛がつきまとう。僕はできる限りこの苦痛を避けたいと思って生きてきた。そもそも「好きな仕事
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