前川リポートとは? 1986年に「国際協調のための経済構造調整研究会」がまとめた報告書。会長の元日銀総裁・故前川春雄氏にちなみ「前川リポート」と呼ばれている。当時の中曽根康弘首相に提出された。 経常黒字の増大による米国との貿易摩擦と、プラザ合意後の円高進行に直面。経済構造の転換が必要との認識を背景に提言がなされた。 基本路線は外需主導型から内需主導型への転換と、それを支える規制改革など。市場原理を重視し、その後の構造改革につながった。内需拡大の方向性が公共事業の増大を招き、バブル経済の一因になったとの批判もある。 米国景気の減速懸念や信用不安でドル安・円高が加速。輸出企業の収益悪化観測が、株安となって連鎖する。 3月3日の東京市場の動きは、まさにそんな構図だった。円相場は、約3年ぶりに一時1ドル=102円台に乗せ、日経平均株価は1万3000円を割り込んだ。円高の勢いは収まらず、市場関係者の