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通信大手KDDI(au)の携帯電話サービスで2日未明に発生した大規模な通信障害を受け、状況説明やWi―Fiの電波を求める客がauショップに詰めかける場面もあった。 東京都心部にあるauショップの副店長によると、通信障害関連で訪れた客が午後2時時点で40~50人に上り、通常の4~5倍にあたるという。「お客様にはいつ改善するか分からないとお伝えするしかなく、心苦しいです」と話した。 別のショップでは午後3時半ごろ、若い男性客が「通信障害はいつ終わるの? 謝って済むレベルじゃねえだろ」と怒りながら店員に詰め寄る姿もあった。Wi―Fiを求めて来店した中野区の会社員女性(26)は「この後友人と待ち合わせをしているが、電話もできず連絡が取れないので困っている。美容室にも行く予定だったが予約の電話もできなかった。本当に早く復旧してほしい」と嘆いた。
総務省が入るビル(手前)。消防団員の報酬をどう適正に支給していくか、政府の手腕も問われている=東京都千代田区で2021年9月17日午前、袴田貴行撮影 消防団員に銀行口座を新規に開設させ、その口座の通帳やキャッシュカードを団幹部が回収し、行政から振り込まれる報酬を団員個人に直接渡さない不正が複数の消防団で行われていることが毎日新聞の取材で判明した。銀行口座を本人以外が管理するのは明らかな犯罪行為。「共助」の担い手として地域社会に貢献する消防団に何が起きているのか。 暗証番号は同じに 千葉県北部の消防団。今年2月、所属する全団員に幹部から無料通信アプリ「LINE(ライン)」のメッセージが届いた。報酬を振り込むための口座を開設したうえで、そのキャッシュカードを分団に預けろという内容だった。暗証番号は全員が同じ番号に統一することも指示されていた。 銀行口座を開設者以外の者に渡したり、第三者が口座を
新型コロナウイルス感染拡大を機に、失業が長引く女性が急増した。総務省の労働力調査では、4~6月の3カ月平均で失業期間が6カ月を超えた女性は34万人に上り、昨年平均の28万人を上回る。昨秋から高止まりしており、支援団体は「女性の失業は子どもの教育環境や家族関係の悪化につながる」と国の支援の必要性を訴えている。 「感染拡大で、希望する事務職の求人が目に見えて減っていった」。東京都内で暮らす30代のシングルマザーは、4カ月勤めた税務署での短期アルバイトが昨年4月に契約期間満了で終わると、その後8カ月にわたって仕事が見つからない日々を過ごした。コロナ感染が拡大する昨春までは事務系の派遣社員などで生計を立てており、引き続き派遣会社の紹介する求人に応募したが数十社から落とされた。その間、事務系の職業訓練学校に通…
ある片腕のスイマーはレース後、「失格」を告げられた。理由は「両手で壁にタッチする」という健常者の競技ルールに外れたからだ。東京オリンピックとパラリンピックの開催にあたって、多様性や共生社会といった理念が盛んに唱えられた。だが、私たちの社会はその理念をどこまで実現できているのだろうか。 健常者のルール強いられ「失格」 2018年9月、札幌市で開かれた「日本スポーツマスターズ」の水泳競技会。平泳ぎのレースを終えた選手が失格になった。その選手には片腕の肘から先がないにもかかわらず、審判からは「プールの壁を両手でタッチしていない」と伝えられたという。 日本スポーツマスターズはスポーツ庁や日本オリンピック委員会(JOC)も後援するシニア向けの総合スポーツ大会だ。18年は水泳競技だけで800人以上が参加した。 主催するのは公益財団法人・日本スポーツ協会。国民体育大会(国体)も手がけるこの団体は、策定し
男性の徴兵制がある韓国で、女性にも兵役を課すべきだという議論が活発化している。今年5月には、女性徴兵制を求める大統領府あての請願に29万人以上が賛同し、話題を呼んだ。20代の韓国人らに話を聞くと、兵役に不満を抱く男性だけでなく、女性からも賛成の声が聞かれた。 署名した市民や専門家に取材する中で、今の韓国社会が抱える課題が見えてきた。それは日本人にとっても人ごとではない問題だ。 29万人が賛同 「女性も徴兵の対象に含めてください」。今年4月、青瓦台(大統領府)のホームページ(HP)に、こんなタイトルの請願が投稿された。30日以内に賛同者が20万人を超えれば、政府が見解を出す仕組みになっている。 請願の投稿者はHP上で、「出生率の低下が軍の兵力の補充にも大きな支障をきたしている。軍務に適していない人員も無理やり徴兵対象となっているため、軍の質が落ちている」と指摘。軍はすでに将校などに女性を募集
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、就職氷河期世代支援の政府目標達成に黄信号がともった。政府は2019年12月、氷河期世代について「今後3年間で正社員を30万人増やす」という目標を掲げた。しかし内閣府によると、20年に正社員数はほとんど増えなかった。一方、他の世代をみると、コロナ禍でも人手不足を背景に正社員化が進み、新卒採用も堅調だ。政府がようやく重い腰を上げようとした矢先にコロナ禍に見舞われた「不遇の世代」は、結局支援から取り残されたままだ。【中川聡子/くらし医療部】 予算522億円 正規は「横ばい」 氷河期世代は、1993~04年ごろに新卒で就職活動し、現在は30代後半から40代後半になる。バブル崩壊後の不況期に企業が新卒の採用数を極端に絞り、さらに政府が派遣労働の拡大など雇用の非正規化を進めたことから、企業は人件費を削減するため非正規雇用を活用した。結果的に希望の職に就けず、非正規を
東京都の小池百合子知事は、新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言について、期間を大型連休中の4月29日~5月9日とするよう政府に求め、百貨店といった大型商業施設などを休業要請の対象とする調整に入った。期間は感染状況を見極めたうえで、5月16日まで延ばすことも想定している。与党関係者が21日、明らかにした。都は近く政府に宣言発令を要請する見通しで、政府は要請を踏まえて発令を検討する。小池氏は同日、報道…
報道機関に公開された東京拘置所の刑場の「執行室」。中央下は踏み板=東京都葛飾区で2010年8月27日(代表撮影) 米国で死刑廃止を公約に掲げたバイデン政権が発足した。死刑の廃止・停止は国際的な潮流で、米国が死刑廃止国になれば、先進国で死刑制度が残るのは日本だけとなる。しかし、国内ではなかなか議論が広がらない。そもそも死刑制度とは何なのか。人権の尊重をうたい、残虐な刑罰を禁止する憲法の観点から問題はないのか。憲法学者の木村草太・東京都立大教授と考えた。【上東麻子/統合デジタル取材センター】 死刑廃止の潮流と日本の落差 米トランプ政権は1月、1人の女性に死刑を執行した。この死刑囚は幼少期に激しい虐待を受けていたこともあり、日本でも話題を集めた。連邦政府による女性の死刑執行は67年ぶりで、政権交代目前だったことから「駆け込み」と国際的な批判を浴びた。 米国には連邦と半数以上の州に死刑制度がある。
「気がつくと、所持金は103円でした。4日の仕事始めに出勤する電車賃もなくなっていました」。短大卒業後、非正規雇用で働いてきた女性(42)は突然、自分とは関係ないと思っていた「リアルな貧困」に直面した。給料が安くても仕事を絶やさずにやってきた。でも40代になるとバイトの面接にすらなかなか呼ばれなくなってしまった。家賃の引き落とし日が迫るのが怖くて仕方がなくなった。「真面目に生きていきたいだけです。どうしてこんなことになったのでしょう?」。女性に声をかけると、こう聞き返してきた。【木許はるみ/統合デジタル取材センター】 夕暮れ時、人影が少なくなった会場を出ようとした女性が支援スタッフの男性から声をかけられていた。「野菜もあるよ、あ、ガスが止まってるんだったね」。女性ははきはきした声でお礼を伝えていた。記者と同世代に見えた。1月3日、東京都千代田区の聖イグナチオ教会で開催された「年越し大人食堂
漫画や書籍などを無断でインターネットに掲載する違法な海賊版サイト対策として、総務省は25日、スマートフォンなどの端末に、サイトへの接続制限機能の搭載を目指すと発表した。ウイルス感染を防ぐセキュリティー対策ソフトに海賊版へのアクセス抑止機能を加え、閲覧しにくくする仕組み。近くサービスが始まる見通しだ。 出版業界は海賊版サイトのリストを作っている。これをセキュリティー対策事業者に提供して「フィルタリング」という機能に取り込んでもらい、利用者が該当するサイトに接続しようとすると通信を遮断したり警告を出したりする。標準搭載を目指すが、利用者の選択を尊重し、解除も可能となる方向だ。 この記事は有料記事です。 残り212文字(全文502文字)
事件現場となった一戸建ての玄関先には植木鉢が荒れたまま放置されていた=神戸市須磨区で2020年10月23日午後4時53分、春増翔太撮影 黒髪をキュッと結んだポニーテール。白いブラウス。顔を上げた小柄な女性(22)は、年齢より幼く見えた。 9月、神戸地裁。幼稚園教諭だった女性は、初めて法廷に立った。同居していた祖母(当時90歳)の殺害を認め、「介護で寝られず、限界だった」と語った。親族から介護をほぼ1人で背負わされ、仕事との両立に苦しんだ末のことだった。 なぜ、社会人1年目の女性は「大好きだったおばあちゃん」を手にかけるまで追い詰められたのか。裁判を傍聴し、関係者への取材を重ねた。【韓光勲、春増翔太】
NTTドコモの電子マネー決済サービス「ドコモ口座」で提携する銀行口座から不正に預金が引き出された問題で、2019年5月にも同様の不正被害があったことが9日、明らかになった。ドコモはその後も本人確認を厳格化する対応をとっていなかった。今回の問題では本人確認の甘さが指摘されており、過去の教訓が生かされなかった可能性がある。 ドコモなどによると、19年5月、提携を開始したりそな銀行の口座からドコモ口座に不正な入金が確認された。何者かが預金者になりすまし、銀行の口座番号や暗証番号を使って銀行口座から預金を引き出したとみられ、今回の問題と同じ手口だった。多額の被害が出たのを受けて、ドコモとりそなは同月中に銀行口座の新規登録を停止した。
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