タグ

ブックマーク / yomitai.jp (24)

  • 名もなきまかない料理が「あんかけスパゲッティ」と名付けられるまで | 稲田俊輔「西の味、東の味。」

    博覧強記の料理人、美味の迷宮を東奔西走す! 日の「おいしさ」の地域差に迫る連載。 前回までは3回にわたり「から揚げ」編をお届けしました。 今回は、稲田さんが強烈な関心を持つ、あるローカルフードの誕生についてのお話です。 ローカルフード周圏論① 今回は名古屋の「あんかけスパゲッティ」から話は始まります。あんかけスパゲッティは近年「名古屋めし」のひとつとしてかなり有名になってきましたが、全国的に言えば見たこともべたこともない人がほとんどでしょうから、まずはざっくりとそれがどのようなものか説明しておきましょう。 あんかけスパゲッティは1960年代に誕生したと言われます。トマトを中心とする野菜のベースに牛ひき肉が加わった滑らかなソースを、太麺のスパゲッティにかけた料理です。ソースは胡椒で極めてスパイシーに仕上げられているのが大きな特徴です。また、そこに片栗粉でとろっとした濃度が付けられているた

    名もなきまかない料理が「あんかけスパゲッティ」と名付けられるまで | 稲田俊輔「西の味、東の味。」
    takutakuma
    takutakuma 2024/10/05
    あんかけスパゲッティの成立ち
  • 冤罪事件のきっかけと『地面師たち』に共通した〈気持ち悪さ〉──作家・新庄耕が、プレサンス元社長・山岸忍に聞く【後編】 | 新庄耕「商人の土地」

    冤罪事件のきっかけと『地面師たち』に共通した〈気持ち悪さ〉──作家・新庄耕が、プレサンス元社長・山岸忍に聞く【後編】 Netflixシリーズ『地面師たち』の原作や不動産営業マンを描いた傑作『狭小邸宅』で知られる作家・新庄耕さんが、「土地」にまつわる様々な事象や事件を取材する新連載。 前編に続き、2019年に大阪地検特捜部により逮捕され、21年に無罪を勝ち取った、プレサンス元社長・山岸忍さんへのインタビューです。 (やまぎし・しのぶ)1963年、滋賀県生まれ。同志社大学法学部卒業後、大京観光(株)入社。(株)創生を経て97年に(株)プレサンスコーポレーションの前身会社設立。2020年全国分譲マンション供給戸数トップの業界大手に成長させる。19年12月、大阪地検特捜部に横領容疑で逮捕されるも、21年11月、無罪判決確定。 山岸氏の著書『負けへんで! 東証一部上場企業社長VS地検特捜部』(文藝春

    冤罪事件のきっかけと『地面師たち』に共通した〈気持ち悪さ〉──作家・新庄耕が、プレサンス元社長・山岸忍に聞く【後編】 | 新庄耕「商人の土地」
  • 検察官の誘導テクニックは、一流の不動産営業マンに似ている──作家・新庄耕が、プレサンス元社長・山岸忍に聞く【前編】 | 新庄耕「商人の土地」

    検察官の誘導テクニックは、一流の不動産営業マンに似ている──作家・新庄耕が、プレサンス元社長・山岸忍に聞く【前編】 Netflixシリーズ『地面師たち』の原作や不動産営業マンを描いた傑作『狭小邸宅』で知られる作家・新庄耕さんが、「土地」にまつわる様々な事象や事件を取材する新連載がスタートします。 今回は、2019年に大阪地検特捜部により逮捕され、21年に無罪を勝ち取った、プレサンス元社長・山岸忍さんへのインタビューの前編をお届けします。 (やまぎし・しのぶ)1963年、滋賀県生まれ。同志社大学法学部卒業後、大京観光(株)入社。(株)創生を経て97年に(株)プレサンスコーポレーションの前身会社設立。2020年全国分譲マンション供給戸数トップの業界大手に成長させる。19年12月、大阪地検特捜部に横領容疑で逮捕されるも、21年11月、無罪判決確定。 山岸忍氏の人間性を一言であらわすなら、「不屈の

    検察官の誘導テクニックは、一流の不動産営業マンに似ている──作家・新庄耕が、プレサンス元社長・山岸忍に聞く【前編】 | 新庄耕「商人の土地」
  • Twitterで〈刺さる〉小説を書く方法【麻布競馬場×新庄耕 創作対談】 | 特集

    麻布競馬場さんの最新刊『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』は、発売前から大きな話題を呼び、発売前増刷&即重版がかかりました。 刊行を記念して、麻布さんが大ファンだと語る、新庄耕さんとの対談が実現しました。『狭小邸宅』を筆頭に、新庄さんの作品もTwitterで頻繁に話題に上がります。二人の作品に共通するSNSで〈刺さる〉現象は何なのか、たっぷりお話しいただきました。 (構成/長瀬海、撮影/長谷川健太郎) Twitter小説とは何か 麻布 新庄さんの『狭小邸宅』が大好きで勝手にバズらせてたら、かつて『狭小邸宅』を担当した編集者さんからDMが来て、僕がTwitterで書いていた小説を一冊にしませんかってお声がけをいただいたんです。なので、何もかも新庄さんのおかげっていうか(笑)。 新庄 いやいや、私は何もしてませんよ(笑)。麻布さんの小説読ませてもらいましたけど、すっげえ面白かった。最初の

    Twitterで〈刺さる〉小説を書く方法【麻布競馬場×新庄耕 創作対談】 | 特集
  • 広島VS大阪の仁義なき争いの陰で頑張る、各地の名もなき「お好み焼き」たち | 稲田俊輔「西の味、東の味。」

    博覧強記の料理人、美味の迷宮を東奔西走す! 日の「おいしさ」の地域差に迫る短期集中連載。 前回は、「広島焼き」という名称がなぜ地元で忌み嫌われるのかについて考えてみました。 今回は、じゃあ大阪お好み焼きって実際どうなん?という話から、各地のお好み焼き事情を考察します。 お好み焼き編③ 大阪お好み焼きの「凄み」 東京で生まれて全国に広がっていったお好み焼き文化。その中で広島と大阪のそれは特に劇的に進化していき、今度はその二つが全国に広まっていった……。これが大まかなお好み焼き歴史です。前回名古屋ならではのお好み焼きについて少し触れましたが、現代において名古屋でべられるお好み焼きのほとんどは広島風か大阪風であり、ローカルお好み焼き文化は風前の灯火。お隣の岐阜もそんな感じです。おそらく全国で多かれ少なかれこういう現象は起こっていることでしょう。 そういう話をある人、というかこの連載の

    広島VS大阪の仁義なき争いの陰で頑張る、各地の名もなき「お好み焼き」たち | 稲田俊輔「西の味、東の味。」
  • 冬野梅子「東北っぽいね」

    新刊紹介 六十路通過道中 2024/5/24 群ようこ NEW 命の教科書 東大クイズ王医師×聖路加救急医療チームが伝える!『もしも』のときの基礎知識 2024/3/5 亀谷航平 白﨑加純 こどもを野に放て! AI時代に活きる知性の育て方 2024/2/26 中村桂子 春山慶彦 池澤夏樹 養老孟司 異国の味 2024/1/26 稲田俊輔 よみタイ新着記事 連載 4/6 西の味、東の味。 極私的ナンバーワン、甘くない「京都のきつねうどん」 稲田俊輔 連載 4/5 消費される階級 お金への興味とチャレンジ精神の多寡が、格差や序列に比例する未来がすぐそこに? 第22回 遅ればせながらの金融教育 酒井順子 連載 4/2 育ちの良い人だけが知らないこと ある彫師の壮絶な人生──劣悪な家庭環境、親友の自殺、完成直前に死んだ客【育ちの良い人だけが知らないこと 第3回】 かとうゆうか 連載 4/1 モラハ

    冬野梅子「東北っぽいね」
  • 広島県民の気持ちになって、「広島焼き」問題を考えてみる | 稲田俊輔「西の味、東の味。」

    博覧強記の料理人、美味の迷宮を東奔西走す! 日の「おいしさ」の地域差に迫る短期集中連載。 前回から始まったお好み焼き編。 そう、あの「広島vs大阪」論争を避けて通るわけにはいかないのです。 お好み焼き編②「広島焼き」という呼称はなぜ地元で忌み嫌われるのか 初めて出会った広島風のお好み焼きのおいしさに、僕は大袈裟ではなく「感動」しました。少なくともあんなお好み焼きは、それまでべたことがなかったのです。 それまで、大学の近くにあった京都風(?)のお好み焼き屋さんにはたまに行っていました。お好み焼きというべ物は、いかにも庶民的なようでいてその実、お店でべると案外安くないもの。そのお店も基的にはそうだったのですが、しかしそこはやはり学生街の飲店です。他のどのお好み焼きよりひときわ値段の安い、「学生モダン」というメニューがありました。しかもそれは普通のお好み焼きより一回りどころか二回りく

    広島県民の気持ちになって、「広島焼き」問題を考えてみる | 稲田俊輔「西の味、東の味。」
  • 【宇推くりあ×佐々木亮 特別対談】 JAXAのSLIMが世界初のピンポイント月面着陸成功! 宇宙はこれからもっと近くなる!? 未来の探査の可能性を語る | 特集

    【宇推くりあ×佐々木亮 特別対談】 JAXAのSLIMが世界初のピンポイント月面着陸成功! 宇宙はこれからもっと近くなる!? 未来の探査の可能性を語る 2024年1月20日、「小型月着陸実証機 SLIM」が日初の月面着陸を達成。しかも、ただの着陸ではなく世界初のピンポイント着陸という快挙です! これまで行くことができなかった月面の場所にダイレクトに到達できるようになれば、探査の可能性が飛躍的に広がるはず。 今回はよみタイで「酒のつまみは、宇宙のはなし」を連載中の佐々木亮さんと、ロケットアイドルVTuberで内閣府宇宙開発利用大賞PRキャラクター、YouTube チャンネルも人気の宇推くりあさんの対談を実施。 専門的な視点から宇宙に関する情報を配信する二人が、今回のSLIMプロジェクトの意義を語ります。 取材・文/よみタイ編集部 世界初となる「ピンポイント着陸成功」の意義 佐々木 ついにS

    【宇推くりあ×佐々木亮 特別対談】 JAXAのSLIMが世界初のピンポイント月面着陸成功! 宇宙はこれからもっと近くなる!? 未来の探査の可能性を語る | 特集
  • 運動のできない私を、勉強からも遠ざけた「母の罵倒」習慣……第8話 テストの川流し | 冬野梅子「東北っぽいね」

    それは、まだ別のどこかのことは知らない、遠い北の地での暮らしでした――。 『まじめな会社員』で知られる漫画家・冬野梅子が、日照量の少ない半生を振り返り、地方と東京のリアルライフを綴るエッセイ。 前回は、小学生の頃に冬野さんを悩ませていた「運動のできなさ」についてのエピソードでした。 では勉強が得意だったのかというと、そうでもなかったようで……。 (文・イラスト/冬野梅子) 運動ができない、かといって勉強ができるわけでもなかった。 小学校低学年の頃にはすでに親にテストを隠していた。小学校のテストは頻度が多く、いつ頃テストがあるというスケジュール感覚も皆無だった。先生の話を聞いていなかったのか、いつも突然「今日はテストです」と言われた記憶がある。それでも小学生の間は、テストに備えてテスト勉強などしなくてもそれなりに悪くない点数を取っていたつもりだった。私にとっては80点、いや70点台でも結構い

    運動のできない私を、勉強からも遠ざけた「母の罵倒」習慣……第8話 テストの川流し | 冬野梅子「東北っぽいね」
  • 日本の歌詞は恋愛至上主義?フィクション化する恋愛と都市文化【児玉雨子×三宅香帆 古典対談】 | 特集

    作詞家・小説家の児玉雨子さんの新刊『江戸POP道中文字栗毛』がいよいよ9月26日に発売されます! 児玉さんが近世文芸に心惹かれていた理由がエッセイとして軽快に書かれ、大胆に解釈が加わったリメイク小説には現代に通ずるものがあります。 同じく『妄想とツッコミでよむ万葉集』、『(萌えすぎて)絶対忘れない! 妄想古文』などで、和歌や平安朝の物語を中心に古典の魅力を世に伝える著書を発表してきた三宅香帆さん。 おふたりが語らう中で「推す」時代が違うからこそ見えてきたものとは──。 構成:三宅香帆 撮影:露木聡子 90年代生まれインターネット育ちが読む古典文学 三宅 児玉さんの書かれるものを読むたびに、同世代っぽさを勝手に感じていたんです。今回プロフィールをちゃんと見たら、当に同い年で驚きました。私が九四年の早生まれで、九三年生まれの児玉さんと同学年。 児玉 そうなんですね! 今知りました、びっくり。

    日本の歌詞は恋愛至上主義?フィクション化する恋愛と都市文化【児玉雨子×三宅香帆 古典対談】 | 特集
    takutakuma
    takutakuma 2023/09/25
    “日本人は、性愛をフィクションに全振りして、現実とは分離させる感覚が脈々と続いている”
  • 「ガチ」を求めて三千里……マニアたちによる悲喜こもごもの狂騒曲 | 稲田俊輔「異国の味」

    よみタイ新着記事 連載 8/27 体重減・筋肉増のおばあさんになる!「あすけん」式 人生最後のダイエット 「あすけん」健康度のありえない点数に一念発起…!? 第2回 「あすけんの女」未来さんと出会ってしまった! 上田惣子 連載 8/26 推し博物館 ひとり旅 京都市東山区の「京都国立博物館」~涼しく快適! 夏期講座で大人の学びなおしの楽しさを学ぶ旅 明 連載 8/24 真夜中のパリから、夜明けの東京へ 出会って20年……今、それぞれの喪失を経て言葉を交わすということ 【沢エミ×小林孝延・往復書簡1】 小林孝延 沢エミ 連載 8/23 酒のつまみは、宇宙のはなし 株価と地震と太陽フレア。一見関係なさそうな事象の裏に潜む共通のメカニズムとは? 佐々木亮 新着をもっと見る 稲田俊輔 イナダシュンスケ 料理人・飲店プロデューサー。鹿児島県生まれ。京都大学卒業後、飲料メーカー勤務を経て円相フー

    「ガチ」を求めて三千里……マニアたちによる悲喜こもごもの狂騒曲 | 稲田俊輔「異国の味」
  • どのように人間は〈戦争〉をする生き物になったのか──戦争の進化心理学 | 小松正「絶望の進化心理学 なぜ私たちは〈心を病む〉生き物なのか?」

    人間は長い年月をかけて進化してきました。身体だけではなく、私たちの〈心〉も進化の産物です。 ではなぜ人間の心のネガティブな性質は、進化の過程で淘汰されることなく、今現在も私たちを苦しめるのでしょうか? 進化生物学研究者の小松正さんが、進化心理学の観点から〈心〉のダークサイドを考えていきます。 前回は、「進化精神医学」という新たな医学について解説しました。 今回のテーマは「戦争」。人間が戦争をしてしまう心の仕組みを考えます。 イラスト/浅川りか 戦争がなくならない 「子どもの犠牲500人」。今年の8月13日に、ウクライナ情勢に関してとりわけ胸が苦しくなるニュースが各メディアで報じられました(注1)。ウクライナ検察当局によると、ロシアによる侵攻で死亡した子どもの数が500人に上ったというのです。砲撃や空爆に巻き込まれて死傷した子どもの数は約1600人、占領地ではロシア側への子供の連れ去りも生じ

    どのように人間は〈戦争〉をする生き物になったのか──戦争の進化心理学 | 小松正「絶望の進化心理学 なぜ私たちは〈心を病む〉生き物なのか?」
  • 始まりはいつもカレー? 日本におけるインド料理の歴史をおさらい | 稲田俊輔「異国の味」

    よみタイ新着記事 連載 8/27 体重減・筋肉増のおばあさんになる!「あすけん」式 人生最後のダイエット 「あすけん」健康度のありえない点数に一念発起…!? 第2回 「あすけんの女」未来さんと出会ってしまった! 上田惣子 連載 8/26 推し博物館 ひとり旅 京都市東山区の「京都国立博物館」~涼しく快適! 夏期講座で大人の学びなおしの楽しさを学ぶ旅 明 連載 8/24 真夜中のパリから、夜明けの東京へ 出会って20年……今、それぞれの喪失を経て言葉を交わすということ 【沢エミ×小林孝延・往復書簡1】 小林孝延 沢エミ 連載 8/23 酒のつまみは、宇宙のはなし 株価と地震と太陽フレア。一見関係なさそうな事象の裏に潜む共通のメカニズムとは? 佐々木亮 新着をもっと見る 稲田俊輔 イナダシュンスケ 料理人・飲店プロデューサー。鹿児島県生まれ。京都大学卒業後、飲料メーカー勤務を経て円相フー

    始まりはいつもカレー? 日本におけるインド料理の歴史をおさらい | 稲田俊輔「異国の味」
  • 昼は街のお菓子屋さん、夜はパンクでロックな優しいピエロ。これがニューロティカ・あっちゃんの“普通の生活” | 佐藤誠二朗「DON’T TRUST UNDER FIFTY」

    昼は街のお菓子屋さん、夜はパンクでロックな優しいピエロ。これがニューロティカ・あっちゃんの“普通の生活” 元「smart」編集長・佐藤誠二朗によるカルチャー・ノンフィクション連載「Don't trust under 50」。 有頂天のKERA、ラフィンノーズのチャーミーに続く、3人目のゲストはニューロティカのヴォーカル“あっちゃん”ことATSUSHI2022年1月には、史上“最遅”で初の日武道館ライブを成功させ、大きな話題となった。 1984年の結成時からバンドのフロントマンであり続けるあっちゃんに、自宅である八王子の『藤屋菓子店』にてロングインタビュー。4回にわたって、あっちゃんの現在、過去、そして未来に迫る。 (全4回の1回目 #1 #2 #3 #4) バンドブーム全盛期でも月給は15万円。あの頃はそれで十分満足だった 世界広しといえども、誰もがこれほど簡単に接触できる“ロックスタ

    昼は街のお菓子屋さん、夜はパンクでロックな優しいピエロ。これがニューロティカ・あっちゃんの“普通の生活” | 佐藤誠二朗「DON’T TRUST UNDER FIFTY」
  • 大人が「かわいい」「かわいくない」で態度を変えることがあるなんて……第3話 トンボ柄の浴衣 | 冬野梅子「東北っぽいね」

    それは、まだ別のどこかのことは知らない、遠い北の地での暮らしでした――。 『まじめな会社員』で知られる漫画家・冬野梅子が、日照量の少ない半生を振り返り、地方と東京のリアルライフを綴るエッセイ。 前回は、子ども時代の習い事の「圧」が綴られました。 今回は、冬野さんが初めてルッキズムに触れたエピソードについて。 (文・イラスト/冬野梅子) 私は父方の祖母と同居していたので、いわゆる「おばあちゃんち」と呼ばれるような、年に数回会う親戚の代表格は母方の祖父母の家だった。 その家には祖父母と母の弟夫婦が住んでおり、いわば「長男の家」なので親戚がよく集まった。 小学生の夏休みは、車で30分もかからない場所にある祖父母の家に泊まるお盆の時期が一番の楽しみで、少し年上のいとこに混ざって花火をしたり、川にお盆の飾りを流しに行ったりするのが当に楽しかった。 主に集まるのは、関東に住む母の妹夫婦の一人息子と、

    大人が「かわいい」「かわいくない」で態度を変えることがあるなんて……第3話 トンボ柄の浴衣 | 冬野梅子「東北っぽいね」
  • 子どもの涙が通用しない事態もあることを知った。 第2話 習い事ドミノ | 冬野梅子「東北っぽいね」

    それは、まだ別のどこかのことは知らない、遠い北の地での暮らしでした――。 『まじめな会社員』で知られる漫画家・冬野梅子が、日照量の少ない半生を振り返り、地方と東京のリアルライフを綴るエッセイ。 前回明かされた地獄の体操教室に続く、子供時代の習い事をめぐる親との攻防について。 (文・イラスト/冬野梅子) 幼稚園に入ってすぐ、気がつくと謎のスポーツクラブに参加していた。 当時の記憶はあまりないが、「もう辞めたい」と親に泣きついた出来事だけははっきりと覚えている。 スポーツクラブはキビキビとした、笑顔の少ない厳しそうな若い男の先生が担当していた。ジャージを着て、溌剌はつらつとした声は他の優しい女の先生と違いちょっと怖い印象を与えたが、「子供だからといって甘やかさない姿勢がいい」と母が褒めていた記憶がある。 そんな厳しい男の先生に命じられ、ある日のスポーツクラブでは障害物競争のようなものをさせられ

    子どもの涙が通用しない事態もあることを知った。 第2話 習い事ドミノ | 冬野梅子「東北っぽいね」
  • 物心ついた時には「運動が苦手な子」というポジションに……第1話 不憫だが愛されている | 冬野梅子「東北っぽいね」

    それは、まだ別のどこかのことは知らない、遠い北の地での暮らしでした――。 『まじめな会社員』で知られる漫画家・冬野梅子が、日照量の少ない半生を振り返り、地方と東京のリアルライフを綴るエッセイ。 第1話は、冬野さんが物心つくかつかないかの頃に体験した「体操教室」の思い出を綴ります。 (文・イラスト/冬野梅子) 第1話 不憫だが愛されている 東北の田舎に生まれた。年の瀬の忙しい時期に、出産予定日より若干早く生まれたらしい。 田舎といっても、映画で見るような牧歌的な田園風景などではなく、車で10分圏内に大型スーパーや量販店が並び、しかしスターバックスみたいなお洒落なチェーン店はない、心躍るような気の利いた品物もない、生活に足るだけの便利で無難なものがすぐ買える、そういう田舎である。 まだ5歳前後の頃、私は赤ちゃん時代の写真を見ると泣き出す子供で、そういう我が子を見て両親は不思議に思いつつも面白が

    物心ついた時には「運動が苦手な子」というポジションに……第1話 不憫だが愛されている | 冬野梅子「東北っぽいね」
  • イタリアン店主の急所を突く「パスタ2皿だけの客」 | 稲田俊輔「異国の味」

    ほど「外国料理」をありがたがる国はない……! 「現地風の店」が出店すると、なぜこれほど日人は喜ぶのか。 日人が「異国の味」に求めているものはなんなのか。 博覧強記の料理人が、日人の「舌」を形成する文化に迫るエッセイ。 前回は、コースのイタリア料理が受け入れられるようになった「日ならでは」の素地について考えました。 イタリア料理編4回目となる今回は、イタリアン店主を悩ませる、ある典型的な注文スタイルについて。 店の思惑とお客さんのニーズ 全体として見れば90年代以降、日人のライフスタイルにスルスルっと入り込んでいったイタリア料理ですが、細かく見ていくと、そこにはちょっとした軋轢あつれきも少なくなかったように思います。 巷では既に繁華街のみならず郊外にもイタリアンレストランが一通り立ち並ぶようになった、2000年前後のエピソードを少しご紹介します。場所はとある中規模な地方都市。

    イタリアン店主の急所を突く「パスタ2皿だけの客」 | 稲田俊輔「異国の味」
  • KERAこそ日本初の“バズり男”。80年代ナゴムブームは「買エ! 買ワナイカライケナイゾ!」の一言から始まった! | 佐藤誠二朗「DON’T TRUST UNDER FIFTY」

    KERAこそ日初の“バズり男”。80年代ナゴムブームは「買エ! 買ワナイカライケナイゾ!」の一言から始まった! 今回からスタートする、元「smart」編集長・佐藤誠二朗によるカルチャー・ノンフィクション連載「Don't trust under fifty」。 連載の初回に登場するのは、劇作家として紫綬褒章も受章しているケラリーノ・サンドロヴィッチ、通称KERAだ。 去る3月25日、恵比寿ザ・ガーデンホールにて、演奏陣を含む48名ものゲストが参加するなか、約5時間にわたって歌い続けるという、とんでもなくヘビーな“還暦ライブ”を成功させたばかり。その還暦ライブの興奮も冷めやらぬ4月某日、都内某所にておこなった2時間半にわたるロングインタビューをベースに、KERAの軌跡と奇跡を、3回にわたってお届けする。 (全3回の第1回 #1 #2 #3) 「Don’t trust anyone over

    KERAこそ日本初の“バズり男”。80年代ナゴムブームは「買エ! 買ワナイカライケナイゾ!」の一言から始まった! | 佐藤誠二朗「DON’T TRUST UNDER FIFTY」
  • 日本で「コースのイタリアン」がすんなり受け入れられた理由 | 稲田俊輔「異国の味」

    よみタイ新着記事 特集 8/30 「原作のその先を見せてもらえる映像化に涙。私ほど幸せな原作者はいない」…ドラマ『クラスメイトの女子、全員好きでした』原作者・爪切男の撮影現場レポート 爪切男 連載 8/27 体重減・筋肉増のおばあさんになる!「あすけん」式 人生最後のダイエット 「あすけん」健康度のありえない点数に一念発起…!? 第2回 「あすけんの女」未来さんと出会ってしまった! 上田惣子 連載 8/26 推し博物館 ひとり旅 京都市東山区の「京都国立博物館」~涼しく快適! 夏期講座で大人の学びなおしの楽しさを学ぶ旅 明 連載 8/24 真夜中のパリから、夜明けの東京へ 出会って20年……今、それぞれの喪失を経て言葉を交わすということ 【沢エミ×小林孝延・往復書簡1】 小林孝延 沢エミ 新着をもっと見る 稲田俊輔 イナダシュンスケ 料理人・飲店プロデューサー。鹿児島県生まれ。京都大

    日本で「コースのイタリアン」がすんなり受け入れられた理由 | 稲田俊輔「異国の味」