11月の29日に日本の国会であった議会開設120年記念式典で、秋篠宮ご夫妻が入場後、天皇皇后両陛下の入場を待つ間、ずっと起立しておられたのに対して、「早く座れよ。こっちも座れないじゃないか」とヤジを飛ばした議員がいたそうです。「みんなの党」の議員がそのヤジのことを憤慨して指摘したところ、各新聞(電子版)はこの「事件」を詳しく伝えていました。 伊藤博文や山縣有朋が渋り続けた国会開設については賛否両論の対立という歴史的文脈抜きでは語れないわけで、その120周年記念の式典で、図らずも民権派的なカルチャーと、国権派的なカルチャーがぶつかったというのは興味深い事件ではあります。もっとも、皇族への儀礼を問題視したのが反官僚主義の「みんなの党」議員であったという点では、「国家なにするものぞ」という左のエリート主義への反発が根にあり、君主制への親近感が反エリート的なポピュリズムに結びついているとも言えます