2008年ごろから、米国の初等中等教育の現場で反転授業(Flipped Classroom)という指導法が注目されている。その共同発案者の1人アーロン・サムズ氏が共著の翻訳書『反転授業-基本を宿題で学んでから、授業で応用力を身につける』の出版を記念し、来日した。本レポートでは、5月24日に東京大学で行われた同氏の講演内容から、反転授業の基本的な考え方を紹介する。 反転授業の背景・出発点?知識の伝達が教育なのだろうかという疑問から ▲ 反転授業の先駆者 アーロン・サムズ 私は12年間、高校の化学教師として科学教育に携わってきました。反転授業は、その経験に基づいています。私自身は賞をいただくなどしたこともあり、優れた教師として認められていました。それでもなお、教室の中心を先生ではなく、生徒や学びそのものにするためにはまだ道のりは遠いと感じていました。 長年、指導者の私が教室