時代の変化に対応し、変革を続ける広告業界。革新への熱狂と専門知識を武器に、従来の広告の枠を超えて、仕事に取り組む人がいます。そんな広告の世界を拡張させる博報堂社員の仕事術と本音に迫る「熱熱トーク」。第5回は、「コト消費」の次として「トキ消費」を提唱する、博報堂生活総合研究所の酒井崇匡さんと中島健登さんです。「トキ消費」とは何か、そして企業はどうマーケティング活動に取り入れるべきか、聞きました。 「トキ消費」の持つ3つの特徴とは? —近年、生活者の消費活動が“モノからコトへ”と変化してきたと言われています。現在の状況をどのように捉えていますか? 酒井:1980年代後半から90年代にかけて、生活者の消費行動の目的が“所有”から“体験”へと変化し、その流れの中で「コト消費」が注目されるようになりました。多くの生活者が物質的な豊かさを享受できるようになり、その次に心の豊かさを求めるようになったので