M&A(合併・企業買収)や投資ファンドによる企業買収が盛んに行われるようになった現在、「のれん」の存在が大きくなってきている。のれんとは企業を買収・合併する際に発生するもので、被買収会社の純資産額と買収価格の差額として資産に計上される。無形資産の一種だ。 近年、M&Aの大型化を背景に、巨額の「のれんの積み増し」が世界的に懸念の的となっている。日本の会計基準では、のれんは一定の期間をかけて損益計算書で費用として償却するルールとなっているが、国際会計基準(IFRS)や米国会計基準(SEC)では定期償却をしない。 そのかわりに、IFRSやSECでは決算ごとにのれんが収益を生み出しているかチェックし、収益に貢献していないと判断されれば、損失として計上(減損処理)するルールだ。なお、日本基準でも定期償却と同時に減損を行うこともある。 2018年、IFRSを策定する国際会計基準審議会(IASB)がのれ