日本企業がコーポレート・ガバナンス改革に取り組んで6年が経過した。独立社外取締役を採用する東証一部上場企業は2019年7月時点で全体の93.4%に達する(東京証券取引所調べ)など、一定の成果を残してきた。今後は、コーポレート・ガバナンスの実効性を高めていくことに一段と焦点が当たることになる。その中には決算発表を含めた企業情報の開示の充実も含まれよう。著者は、今年6月まで6年半にわたり米国で米国企業の分析を行ってきた。その経験をもとに、米国の企業決算にともなう企業情報の開示について紹介したい。 米国における決算発表はプレスリリースで始まる。プレスリリースは、日本の決算短信のような決まったフォーマットがなく、企業が自由に形式や内容を決めている。日本の企業はプレゼンテーション資料を作成する企業が多いが、米国ではそれを作成しない企業も存在する。米証券取引委員会への法定開示書類は、プレスリリース発表