旧支配勢力タリバンや国際テロ組織アルカイダ……ここ数年、パキスタンの連邦直轄部族地域からは緊迫したニュースしか流れてこないが、そんな武装勢力の影に隠れて、思わずほっこりするようなニュースが流れてきたので、それを紹介しよう。 絶滅が危惧されていたパキスタンのハヤブサが、うまく繁殖している。 パキスタンに潜伏するタリバンやアルカイダの一員を拘束すべく、米軍との協力のもとに戦場となって来た連邦直轄部族地域ーーそんな場所に賞金目当てのハンターが立ち入るのは大変危険なせいか、絶滅が危ぶまれていたハヤブサの個体数がどんどん増えていっているのだという。 この種が絶滅危惧種に認定された2005年、パキスタン部族地域に生息するハヤブサの個体数は2000しか確認されていなかった。けれど紛争が勃発してから数年経った2008年、その個体数は何と8000にまで膨れ上がっていた。 中東ではハヤブサは狩りに使われており