日本社会というものはいくらか前よりずっと健康的で清潔になった。 道徳的で秩序ある社会になったといっていい。 でも、そこについていけない人がいるんじゃないのか。 かつてのある意味ゆるい世界ではいるべき場所があった人間の居場所がなくなってしまっているんじゃないのか。 この社会はこのままでいいのか? この本は、そういうことが言いたいのだ。 ……って、簡単にまとめてしまっていいのだろうか。 ある意味で、いいのだとおれは勝手に思っている。 なにせタイトルがタイトルだ。そういう意図あってのことと思う。 著者はおいしいワインを片手に、インターネットで若い人の自意識の発現を貪り食いながら(そうだったっけ?)これを書いたのだと思う。 一読者、おれの居場所 さて、おれはこの本をどう読んだのか。 それは、おれの人生の今の位置を顧みなくてはならない。 そうだおれが暮らしているのは、ちょっと不健康で不潔で、非道徳的
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