ギリシャのアテネ大学で経済学博士 課程の責任者を務めるヤニス・バルファキス教授は、2011年終わりごろ にはすっかり有名人になっていた。同教授は既に2年前から、ギリシャ は支払い不能だとし、ユーロ圏にいる間にデフォルト(債務不履行)す るべきだと主張していた。 しかし、ある日路上で群衆に取り囲まれ自宅には不快な電話がかか ってくるに至り、夫人は昨年12月に「政治家になるかこの国を出て行く か」の選択を教授に迫った。そして、バルファキス教授は多くの学生や 学者たちに倣い、ギリシャを去った。ブルームバーグ・ビジネスウィー ク誌5月28日号が報じた。 それは苦渋の選択だった。海外で学んだり教えたりした後、同教授 は2000年にアテネに戻り、経済学の大問題を解明するための博士課程を 作り上げた。それは、経済モデルに依存し過ぎて実体経済に起こること を予測し損ねるという問題だ。同教授が作ったカリキュ