ビジネスに必要な数学は「関数」と「統計」 ―では、社会人として最低限持っておくべき「数学力」とは。 新井氏:「関数」と「統計」を使って、「未来を予測する力」でしょうか。いえ、もっというと、その2つが未来を予測するもっとも重要な方法論だということを認識することでしょうね。 関数というと、みなさんはグラフを思い浮かべると思います。しかし、実際の現象から観察できるところというのは、このグラフのうち、実はほんの少しの部分しかできないんです。全体が観察できていたらグラフを読んで「ここはこうですね」で終わるので、なにも頑張って関数をやる必要はないわけです(笑)。 ほんの少しの情報しかない中で、どうやってグラフの全体像を知りうるか、というと、それぞれの関数には性質があるからなんですね。たとえば、2次関数(放物線)ですと、そのグラフ上にあるたった3つの点がわかっていれば、完全に全体がわかる。それってある意