度重なるいじめ事件を受けて、朝日新聞の朝刊一面で連載されているコラム「いじめられている君へ」。7月28日には直木賞を受賞したばかりの辻村深月が登場し、話題を集めている。 友だちとうまく付き合えなかった少女時代の辻村を救ってくれたのは、ゲームやアニメ、ライトノベルなどのフィクションだったという。「暗い」「オタク」とバカにされ、つらい思いをしたこともあったそうだが、いま小説を書いているのもその頃の延長線上で「私が好きだったもののことは、誰にももうバカにはさせない」と力強く宣言。子どもたちにも「つらい状況に追い込まれる前に、夢中になれるものを見つけて」と呼びかけている。 実は“いじめ”や“学校の閉塞感”は、辻村がデビュー以来、繰り返し描いてきたテーマだ。 デビュー作『冷たい校舎の時は止まる』(講談社)に登場する、いじめられて拒食症になってしまった少女。その少女に「辻村深月」という名前を付けたのは