ブックマーク / u-account.hatenablog.com (8)

  • なぜ金利は椅子取りゲームではないのか - 経済学と会計学のあいだ

    次のようなお話を聞いたことはないだろうか? 銀行は人々にお金を貸すが、返すときには利子が付くので、その分のお金をどこかから集めてこなければならない。ところが最初に貸したときには利子分のお金は発行されていないので、お金の量全体が増えなければ、返済することができない破産者が必ず出る。だから人々はお金を返すために、銀行からの借入を永久に増やし続けなければならない。 そしてこの手の話*1は、だから資主義は必ず崩壊するのだとか何とかいう話に続く。さて、仮にこの話が正しければ、借入がただ一回だけ行われ、その返済期日に元利金のすべてが返済されなければならない(借り換えや追加の貸し出しが行われない)世界では、必ず破産者が出ることになる。当か? まず単純なケースとして、銀行の貸出金利と預金金利が同一のケースを考えよう。企業は100の原価で生産した商品を、いくらでもいいが、120で売却するとしよう。このと

    なぜ金利は椅子取りゲームではないのか - 経済学と会計学のあいだ
    tamurin7
    tamurin7 2020/08/12
    まぁそうなんだけど、銀行が配当を留保して自己資本化すればその分だけ足りなくなるし、全て配当するにしても金利という口実で搾取が起きることに変わりはない。
  • 生産性の向上が飢餓をもたらすことはできない - 経済学と会計学のあいだ

    togetter.com 上の記事はアフリカ諸国の飢餓の原因を米国などからの安価な輸入料に求めている。安価な輸入品との競争に負けた自国の農業が立ち行かなくなり、他に働き口もないので飢餓になったのだという。 当に? だって自国の農業を駆逐するほど膨大で安価な料が外国から流入しているのなら、つまり外国がそれを売ってくれていて、自国がそれを買えているのなら、それをべればいいのだから飢餓にはならないじゃないですか。反対に、もし外国が自国に安価な料を売ってくれないのなら、今まで通り自国で料の生産を続けるだけなので、(自国には来飢餓にならないだけの生産力があったという想定ですから)やはり飢餓にはならないじゃないですか。明らかに、何か見落としがある。 モデルで考える 単純なモデルを考えよう。 世界にはA、Bの2カ国のみが存在し、それぞれ独自の通貨(AD, BD)を使用している。財は1種類(

    生産性の向上が飢餓をもたらすことはできない - 経済学と会計学のあいだ
    tamurin7
    tamurin7 2019/03/20
    この1財モデルによる思考実験はマクロ的な整合性を欠いていると思う。A国で食料を生産できないなら何を生産するのか。貿易は結局財と財の交換なのだから、B国側に渡す財が無ければ労役を渡すか債務を負うしかない。
  • Amazonが税金を払っていないのはXXXに払いまくっているから - 経済学と会計学のあいだ

    Amazonが過去最高益なのに税金をろくに払っていないというので話題だ。タックスヘイヴン云々という批判もあるようだがこの点に関しては誤っている。Amazonが利益のわりに課税を免れている理由は国際租税回避ではなく、米国の税法と会計基準にある。そしてAmazonが税金を払っていないというのは相当程度真実なのだが、にもかかわらず米国政府が税収を失っているわけではない。これは矛盾ではない。読者は最後にAmazonの意外な真実を知るだろう。 ■あなたが減税したんでしょう? 利益のわりに税額が少ない場合、会計上の税前利益×法定税率と、実際の税額とを比較するのが定石だ。表の一番上が会計利益と法定税率から算定した理論上の税額、一番下が実際の税額で、その間に差額の要因を示している。*1 Amazonが1ドルも税金を払っていないとかいった話は連邦法人税に限ったもので、州や米国外で課税された分を含めると756

    Amazonが税金を払っていないのはXXXに払いまくっているから - 経済学と会計学のあいだ
    tamurin7
    tamurin7 2019/02/24
    “つまりストックオプションで報酬を支払った場合、投資家に開示する財務諸表では利益を大きく見せることができ、税務申告上は所得を小さく見せることができる。なんという魔術!”
  • 転売の利益の本当の源泉(あるいは転売屋の正義について) - 経済学と会計学のあいだ

    チケットの転売で利益が生じるのは、主催者の設定した値段が転売屋のそれよりも低いからだ。しかし、なぜ低いのか? この問題について、お得な価格でライト層を新たに呼び込むことが長期的な利益につながるからだ、という見解をしばしば見かけるようになった。そういうことも実際ありうるかもしれないが、それこそが転売の利益の主な源泉であるという見解には、僕は全然説得力を感じない。 というのは、第一に、長期的な利益なんて関係のない単発系のイベントのチケットもやはり転売の対象になっているという事実が説明しがたい。第二に、ライト層向けの価格設定は、実際には座席の質によって価格に差を設ける(例えばステージから遠い席は安くする)という形で行われていることが多いのではないか。この場合、上の見解に従えば、少なくともコア層向けの最もグレードの高い座席の転売からは利益は生じないはずである(そのような席をライト層向けのためにディ

    転売の利益の本当の源泉(あるいは転売屋の正義について) - 経済学と会計学のあいだ
    tamurin7
    tamurin7 2019/01/11
    一理あると思うけど、明らかに人気が高くて高確率で利幅を取れそうなケースを説明できない気がする。
  • 学び直し教育への補助金はどのように反生産的であるのか - 経済学と会計学のあいだ

    headlines.yahoo.co.jp 例えば土地の賃借料が50万円、その土地を駐車場にした場合の収益が30万円なら、その土地は駐車場にされるべきではない。30万円の価値を得るために50万円の価値ある資源を費やすことになるからだ。*1 一般に、投下される費用が収益を上回るような投資は実行されるべきでない。それは、より小さい価値を得るために、より大きな価値のある資源を費やすことを意味するからだ。 人的資への投資も理屈は変わらない。学び直しであれ何であれ、投資としての教育は、教育に投じた費用を上回る収益が回収できる場合にだけ意味がある。*2そうでなければ、その投資は犠牲にした資源以上の価値を生んでいないからだ。 例えば駐車場経営に毎月30万円の補助金が下りるなら、冒頭の土地は駐車場になるかもしれない。この補助金は実行されるべきでない投資を実行させる点で、僕らの経済をより貧しくさせるものだ

    学び直し教育への補助金はどのように反生産的であるのか - 経済学と会計学のあいだ
    tamurin7
    tamurin7 2017/12/08
    「個人にとって採算割れとなる教育投資を実行しない」という選択を合理的に皆がした結果、社会全体の教育レベルが下がって経済が貧しくなるかも知れない、という視点が欠けているのでは?
  • 飲み会参加証券のプライシング - 経済学と会計学のあいだ

    *1 所得フローx_0, x_1, x_2, ..., x_t, ...... を生じる資産の価値(時価)は割引率をiとして所得フローの割引現在価値Σ(x_t/(1+i)^t)となる。例えばxを企業のFCFと見ればこれはDCF法によって求められた企業価値そのものである。企業価値は債権者と株主が分配する。あるいははじめから株主に帰属する所得フローだけを考えれば株主価値(理論上の株式時価)を直接求めることもできる。これは割引配当モデルである。 飲み会も同様に考えることができる。上記所得フローを飲み会から得られる便益と考えれば飲み会参加者に帰属する割引現在価値が算定される。それは飲み会の適正な参加料と解釈できる。多くの場合飲み会は会を決行するその場で集金して解散するからその便益フローは例えば(5000円, 0, 0, 0, ......)となり参加料は単に5000円となる。参加者の支出とサービス

    飲み会参加証券のプライシング - 経済学と会計学のあいだ
    tamurin7
    tamurin7 2017/09/21
    なるほど。「企業も政府も、株主(納税者)に便益をもたらすために行動する経済主体だ」という抽象化は可能ですね。
  • 教育が投資であることは国債で資金調達すべきであることを意味しない - 経済学と会計学のあいだ

    【日の解き方】「こども保険」に反対する財界、さらなる法人税率引き下げ&消費増税の支持の政治的立場 (1/2ページ) - zakzak 企業経営の発想からみると、有効な投資であれば借り入れで賄うはずであり、税で賄うという発想は出てこないはずだ。(上記リンクの記事より) 国の教育支出に関して、最近、しばしば上のような主張を見かける。つまり、企業であれば投資は負債によって資金調達する。国が行う教育も同様に投資であり、したがって税ではなく負債である国債で資金調達すべき、という主張だ。 けれどこの主張は前提から間違っている。企業の投資(=資産の形成、BSの左側)は負債(銀行その他からの資金調達)によって賄われても、純資産(株主からの資金調達)によって賄われても、いずれでも構わないからだ。 国は納税者が資金を拠出しあって運営されており、だから企業にとっての株主は、国にとっての納税者に相当する。実際、

    教育が投資であることは国債で資金調達すべきであることを意味しない - 経済学と会計学のあいだ
    tamurin7
    tamurin7 2017/09/17
    基本的に政府は国民のお金を集めて国民のために使うだけの存在で、飲み会の幹事のようなもの。飲み会の会費(=税金)を資本金の払い込みと見るのも売上げと見るのも無理があるのでは。
  • 内部留保は何を留保しているのか - 経済学と会計学のあいだ

    内部留保はとても重要な概念だ。*1内部留保を理解することは貸借対照表と損益計算書の関係を理解することに等しい。したがってそれは複式簿記を理解することほとんどそのものだ。 会社を設立する 僕が100百万円を元手に会社を設立し株主になる。これが設立時の貸借対照表だ。 左側は会社にどんな財産が存在するかを示す。その形態は問わない。*2右側は誰が会社に財産を拠出したかを示す。資とは株主が拠出した金額を意味する。*3 *4 会社を操業する その後1年間の操業した成果が損益計算書だ。例えばこう。 利益を配当する 利益はすべて株主たる僕のものだ。*5いやっほう! 僕はこの利益を配当として会社から受け取る。それで好きなものをべてもいいし、他の会社の株を買ってもいい。 配当を再拠出する でも僕はちょっと考える。この会社の利益率はすごくいい。それなら好きなものをべるのは我慢して、配当の30百万円も追加で

    内部留保は何を留保しているのか - 経済学と会計学のあいだ
    tamurin7
    tamurin7 2017/09/03
    内部留保とは配当を留保しているのであり、内部留保が株主に帰属するのは当然。従って「内部留保を使って賃金に増やせ」という主張は正しくなく、「利益(粗利)からもっと賃金に回せ」と言うべき。
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