「戦争を防ぐことができなかったわれわれは受賞に値する団体なのか」 ことしのノーベル平和賞に選ばれたロシアの人権団体「メモリアル」の幹部はこう語り、複雑な胸の内を明かしました。 ソビエト時代に創設され、一貫して人権侵害の監視に取り組んできた「メモリアル」。2000年のプーチン政権発足後のロシア社会をどう見てきたのか。ウクライナ侵攻後のロシアはどうなっているのか。話を聞きました。 ロシアの人権団体「メモリアル」とは 「メモリアル」はソビエト時代の1987年に創設され、政権による政治弾圧を記録するなど人権侵害の監視に取り組んできました。 ノーベル平和賞の受賞が決まり取材に応じる「メモリアル」のメンバー(2022年10月) 2016年にはプーチン政権からスパイを意味する「外国の代理人」に指定されます。 そして2021年12月。ウクライナへの軍事侵攻直前に、外国の団体から資金を得て活動しているなどと