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ブックマーク / econ101.jp (9)

  • ノア・スミス「気候変動をよく理解したいならグラフをいろいろ見てみることだ。解決するのに脱成長なんか必要ないよ」(2024年2月13日)

    気候変動に取り組むうえでの大きな困難の一つは、世の中に悪い情報源が蔓延していて、悪質な情報もばらまかれていることだ。左派の気候変動活動家たち(気候変動問題について何かしようと自身の時間と労力を費やす傾向が最も強い人たち)は、「100社の企業が世界の排出量の70%を引き起こしている」とか「10%の富裕層が排出量の半分を占めている」といった馬鹿げた主張をする疑似左派的な情報を入手してしまいがちだ。それから右派。彼らは、以前だと気候変動を否定することにやっきだったけど、最近になってグリーンエネルギーへの巨大な不信感(金融関係者を除けば、グリーンエネルギーは「恐怖、不確実性、疑わしい」)を煽り立てている。こうしたとりまく事象から、クタクタになってしまうんだ。結果、多くの人たちが、気候変動への議論を避けがちになってるんだと思う。 こうした状況には、当にイライラしてしまう。世の中には、当にたくさん

    ノア・スミス「気候変動をよく理解したいならグラフをいろいろ見てみることだ。解決するのに脱成長なんか必要ないよ」(2024年2月13日)
  • ニック・ロウ 「ところで、『政府の予算』と『家計の予算』ってどこがどう違うの?」(2017年10月27日)

    おそらくあなたも目にしたことがあるだろう。 経済学に疎い素人が「政府は、家計と同じように、収入の範囲内で暮らさなくちゃいけない」みたいな発言を口にしているのを。そして、経済学者がその発言主を指さして嘲笑し、「そんなのは誤謬だ」と断罪しているのを。 さて、質問だ。「政府の予算」と「家計の予算」ってどこがどう違うんだろう? その違いって重要なんだろうか? これらの問いに私なりの回答を寄せるのが今回のエントリーの目的だ。「教育的な」側面を持つエントリーといっていい。 「政府の予算」と「家計の予算」を分(わ)かつとされる違いのうちで、質的にも量的にも重要な意味を持つ違いって果たしてあるんだろうか? 私にはその点が明らかじゃないのだ。 1. 政府は、強制力を行使して(あるいは、強制力を行使する可能性をちらつかせて)収入(税収)を増やすことができる。家計は、そうはできない。 この違いは、政治絡みで重要

    ニック・ロウ 「ところで、『政府の予算』と『家計の予算』ってどこがどう違うの?」(2017年10月27日)
  • ノア・スミス「弱い円は日本にとって好機,なんだけど」(2022年11月24日)

    [Noah Smith, “The weak yen is an opportunity,” Noahpinion, November 24, 2022] じゃあ,なんで日はその好機を利用してないのさ? ぼくが日にはじめて暮らしたのは,2000年代中盤のことだった.当時,円の値打ちはすごく覚えやすかった――だいたい,1ドル=100円だったからだ.どんなものでも,日で値札を見かけたら,頭の中で100で割ってやればだいたいどれくらいの値段なのかつかめた. 「1ドルだいたい100円」為替レートの時代は,約30年続いた.そして,2022年3月に,なにかがブツンといった.円が下がりはじめて,10月には少しのあいだとはいえ1ドル150円にまで下がって,それから1ドル140円にまで少しもどした: Source: Xe.com ドルにかぎらず,日の実質為替レートはあちこちの貿易相手国に対しても下が

    ノア・スミス「弱い円は日本にとって好機,なんだけど」(2022年11月24日)
  • ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)

    [Noah Smith, “Japan’s living standards are too low,” Noahpinion, May 24, 2022] 働きづめでも報われない国 日からこんにちはこんにちは! 2週間の旅行でこっちにきてて,せっかくだから日について何か記事を書こうと思う.まずは,経済の話からはじめよう. たいていの人たちが日について最初に気づくのは,各地の都市がいかにすばらしいかってことだ.とりわけ東京は,現代の驚異だ.キレイに刈り込まれた木々に取り囲まれて,設計のしっかりしたぴかぴかのビル群がそびえたっている.レストランやお店や各種の娯楽は目眩がするほど数知れず,どれもこれもすばらしい.どこも混み合ってるけれど,それでいていつもなぜか静謐を感じさせる.そして,ほんの数分歩けば電車の駅にたどり着いて,そこからどこでも必要な場所に向かえる.他のどんな国もおよばない

    ノア・スミス「日本の生活水準,低すぎ」(2022年5月24日)
  • ポール・ローマー「広告収入型サービスはもうやめよう:デジタル広告課税のススメ」(2021年5月17日)

    納税額(10憶ドル) 独立した複数の会社に分割させるにあたり、この課税システムが企業にとってどの程度の誘因になるかを明らかにするには計算が必要だ。単純化のため、アメリカでのデジタル広告収入が600億ドルである企業を考えてみよう。この課税システムの下では、その企業は220億ドルの納税額を負う。この企業はそれぞれ元々の半分の収入を持つ二つの企業に分割することもできる。大まかに言ってしまえば、これはFacebookがInstagramを別の独立した企業として分割したのと同じようなものだ。小規模化したそれぞれの企業の平均税率はより低いものになる。独立した2つの企業の納税額は合計100億ドルで、毎年120億ドルの支払いを回避することができる。 この課税システムが生み出すインセンティブの大きさは次の2つの数字で把握できる。サブスクリプションモデルへの切り替えで、年間220億ドルを節約できる。広告モデル

    ポール・ローマー「広告収入型サービスはもうやめよう:デジタル広告課税のススメ」(2021年5月17日)
  • フェイクニュースとファクトチェック: 事実を正せば意見も正せるか (2017年11月2日)

    From VoxEU, “Fake news and fact checking: Getting the facts straight may not be enough to change minds” Oscar Barrera, Sergei Guriev, Emeric Henry, Ekaterina Zhuravskaya (02 November 2017) 「フェイクニュース」は今や欧米の政治を語る上で欠かせない要素となった.このコラムでは,2017年の仏大統領選挙期間中に実施された実験を題材に「代替的事実(オルタナティブファクト)」が高い説得力を持つことを示す.ミスリーディングな数値データに基づく物語に触れた有権者たちはポピュリストの主張する方向に意見を変え,ファクトチェッキングはこの効果を打ち消す役に立たない.それどころか,デリケートな論点(たとえば欧州の難民危機)に

    フェイクニュースとファクトチェック: 事実を正せば意見も正せるか (2017年11月2日)
    tanaboo
    tanaboo 2017/11/08
  • タイラー・コーエン「社会保険の一形式として再分配を支持するロールズ的な論証はあるか?」

    [Tyler Cowen, “Is there a Rawlsian argument for redistribution as a form of social insurance?” Marginal Revolution, September 23, 2017] そういう論証を提示した一例がこれ (pdf).ただ,次の点に留意しておこう: 1. 再分配を支持する論証がいちばん強力になるのは,再分配によって経済成長が促進され社会の全員もしくは大半の便益になるときだ.もちろんつねにそうなってはいるわけではないけれど,ときには成り立っている.そして,言うまでもなくこれはロールズ的な論証とは別物だ. 2. 再分配支持の論証で2番目に強力なのは,次のようなものだ――「もっと豊かな人にではなく貧しく助けを必要とする人の手に資源がわたるのは,それ自体としてよいことだ.」 実際,提示する論証こそ人

    タイラー・コーエン「社会保険の一形式として再分配を支持するロールズ的な論証はあるか?」
  • アレックス・タバロック「理系科目の男女差はみんなが思ってるようなのじゃないよ」 — 経済学101

    [Alex Tabarrok, “The Gender Gap in STEM is NOT What You Think,” Marginal Revolution, September 12, 2017] NBER の新しい論文 (pdf) で David Card と Abigail Payne が STEM〔科学・技術・工学・数学〕の男女差についておどろきの新しい説明を提示している.通説だと,そうした男女差は女性に関わることであり,いろんな力がはたらいて――〔全般的な〕差別,性差別,適性,選択…お好みの要因をどうぞ――女性が STEM 分野で勉強しにくくなっているのだと考える.Card と Payne が言うには,男女差のかなりの部分は男性たちと彼らの問題に関わるものだ.少なくとも,彼らが出している研究結果をぼくはそう解釈してるけど,どうも著者たちはじぶんたちが出した研究結果がどう

    アレックス・タバロック「理系科目の男女差はみんなが思ってるようなのじゃないよ」 — 経済学101
  • ピーター・シンガー「健康保険はなぜ割り当てられなければならないか」(2009年7月15日)

    Peter Singer, “Why We Must Ration Health Care“, New York Ttimes, July 15 2009 あなたは進行腎ガンを患っている。おそらく、一年後か二年後にはあなたはそのガンで死んでしまう。スーテントと呼ばれる抗がん剤はガンが転移するのを遅めさせて、おそらくあなたは六ヶ月余分に生きられるだろう。しかし、それには 54000ドルのコストがかかる。数ヶ月死ぬのが先延ばしになることは、それほどの金額に値するのだろうか? もしあなたに支払える余裕があるなら、より長く生きるためにあなたは54000ドルやそれ以上の金額を払うだろう。たとえあなたの人生の質が良いものにならないとしてもだ。だが、ガンを患っているのが自分自身ではなく、自分が支払っている健康保険基金の対象となっている他人であった場合について考えてみよう。もし保険会社がこの男性にスーテン

    ピーター・シンガー「健康保険はなぜ割り当てられなければならないか」(2009年7月15日)
    tanaboo
    tanaboo 2017/02/15
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