感染症の専門家、マイケル・キャラハン氏は、1月初旬に新型コロナウイルス感染症の発生が世界に報じられる前から、パンデミックとの闘いに加わっていた。(PHOTOGRAPH BY MATT NAGER, NATIONAL GEOGRAPHIC) 2020年1月初旬、中国の武漢市で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が大流行しているという漠然とした第一報がもたらされたとき、その前からこの病について記録していた米国人医師がいた。感染症の専門家であるマイケル・キャラハン氏だ。 氏は、長年にわたり鳥インフルエンザウイルスの共同研究を行っていた中国人の同僚たちから、昨年11月に奇妙な新手のウイルスが現れたことを知らされた。同じ謎の病原体による症状を示している患者がシンガポールで発生すると、キャラハン氏はすぐに現地へ飛んだ。 現在57歳のキャラハン氏は、この20年間、SARS、エボラ出血熱、ジカ熱な