自然界の「バラツキ」というと、筆者はなぜか「石」を思い浮かべます。足元に転がっている小石から、河原の石、岩山など、同じ「石」といいながら、大きさも形状も材質も実に様々です。人類はこのすこぶる「バラツキ」の大きな「石」を数万年前から使いこなしてきました。その使い方のいくつかを基に、「バラツキ」に対処するためのヒントを探ってみましょう。 まず、日本庭園をイメージして下さい。縁側から庭先に出るとき、上面が平らな沓脱石で下駄を履きます。庭に降りると、そこには砂利が敷かれています。さらに進むと、苔の間に平たい飛び石があります。その先には、大きな自然石を組み合わせて山と滝を表現し、白い砂を敷きつめて池を表現した枯山水があります。 このように日本庭園では、天然石のあるがままの姿を大切にし、色のムラや割れ目までを持ち味として生かして使い、癖のある歪んだ形の方が味があるとして好まれ、その石の持つ個性を生かし
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