電子部品大手のロームが、省エネ部品として注目を集めるパワー半導体の量産で、他社を突き放しにかかっている。これまで、技術的に廃れた古い技術をニッチ市場で活用することで、営業利益率30%という製造業では驚異的な収益性を実現してきた同社だが、今、先端領域に活路を見いだそうとしているのだ。 果たして背景には何があるのか? 高利益を叩き出しても「田舎企業」と揶揄されてきたロームは、世界企業へと変身できるのか? ニッチ分野に勝機を見いだし、一時期は「隠れた優良企業」 ロームと聞いても、何を手がけている会社かイメージが浮かばない人も少なくないだろう。 創業は1954年。佐藤研一郎氏が、京都市で抵抗器を販売する会社を立ち上げたのが始まりだ。転換期となったのが67年。トランジスタやダイオードなど半導体事業に進出。80年代には、パソコンの記憶媒体に使うDRAM全盛時にも汎用品には一切興味を示さず、大手顧客から