2月29日。無観客で行われた巨人―ヤクルトオープン戦。巨人の先発マウンドにはエース菅野智之。今年はファンならずとも注目が集まっている。 自主トレ中から野球ファンの耳目を集めた大胆なフォーム改造。これまでの菅野といえば、ノーワインドアップで上半身と顔のブレがほとんどないフォームから精密機械のようなコントロールで素晴らしいボールを投げ込んでいた。しかし新フォームは、ノーワインドアップながらも、足よりも先に両手をぐいっと引き上げてから投げる、というこれまでにはない力感と躍動感のあるフォームに生まれ変わった。 この日の菅野は5回4安打1失点、4奪三振。数字を見ればまずまず、だが、それ以上の凄みを感じた。力感で言えば7〜8割程度、新フォームによって覚醒したポテンシャルが暴れ回るのを制御しながら投げているようにさえ見えた。全ての力をこの新フォームに込めたとき、どんなすごいボールが投げ込まれるだろうと想