オブジェクト指向という言葉は、使う人によって(あるいはどの点を重視して話すかによって)意味する内容が相当違ってくるので無用な混乱をまねきがち。その上「これこそがオブジェクト指向の本質だ」とか言い出すと、さらに余計な混乱を呼んだりする。 ここで取るのは「オブジェクト指向(というかオブジェクト指向言語の機能)で本質的なのは動的結合だ」という考え方。「本質」といっても、もちろん一面から見た場合のことにすぎない。 動的結合が本質だ、重要だと言ってみても、それだけでは動的結合がどう重要でどう使えばいいのかはさっぱりわからない。ちょうど「手続き・関数・モジュールに分割する機能は、プログラミング言語で重要だ」と言ってみても、それだけではどう重要でどう使えばいいのかわからないというのに似ている。 そこで動的結合の重要性の説明になる考え方として「メッセージ送信」を取り上げる。「ダックタイピング」も動的結合の