昭和から平成にかけてヒット曲を連発し、“歌謡曲の神様”とも呼ばれた作曲家の筒美京平さんが先月亡くなった。「また逢う日まで」「魅せられて」「木綿のハンカチーフ」。1度聴いたら耳から離れない、思わず口ずさんでしまう名曲の数々。送り出した曲は2700曲以上。シングル曲の売り上げは、歴代最多の7560万枚。現在のJーPOPにつながる日本の歌謡曲の歴史を作り上げた天才作曲家の創作の秘密とは。その知られざる素顔を追った。 (科学文化部 記者 加川直央・NHKスペシャル取材班) 作曲家としてのシングル曲の売り上げ、7560万枚。 これは小室哲哉さんや桑田佳祐さんを抑えて、歴代最多の記録だ。 筒美京平さんは、文字どおり「最も売れた作曲家」だった。 その筒美さんが、生前、常に口にしていたのは「ヒットする曲、売れる曲を作る」ということだった。 一方で、メディアにもほとんど顔を出すことはなく、職業作曲家として黒