経済学インタビューを続ける中で、何回か「会社は誰のものなのでしょうか?」という質問をしてきました。その質問に対する、(それぞれの先生の)答えを聞きながら、私は「会社は株主のものなのかなぁ…」と感じるようになっていました。けれど、少し前に、 GRAPHICATION(グラフィケーション) No.146「 特集:企業社会は今 」を読んで、私の中に大きな疑問が湧いてきたのです。それは、その冊子中に書かれていた「会社人間をこえて(佐藤俊樹氏)」や「もっと株式会社について考えよう(奥村宏氏)」などを読んだからです。 もし自分の犬が他人を噛んだら、所有者は相手の被害を償わなければならない。自分のものである以上、管理する責任があるからだ。所有するというのは、そういうことでもある。 ところが、会社法人が誰かに被害をあたえても、株主には賠償責任はない。…責任はとらないが自分のもの、なんて虫のいい話は資本