(1) 現状の概況 リアクティブ・プラニングやそれに基づいて行動するリアクティブ・システムの研究は,従来の人工知能研究の方向性とは異なる比較的新しいアプローチであり,主として,ロボティクスの分野を中心に展開されてきた。プラニングとは,ある目標を達成するために,ロボットなどのシステムがとり得る行動(アクション)を計画することである。 これまでの古典的プラニングの手法 (Fikes 71)では,システムの外界である環境をセンサで観測した結果を記号で表現した世界モデル,その世界モデルを変換するオペレータ(行動)の集合,世界モデルで記述された初期状態と目標状態が問題として与えられ,そのタスクは,初期状態を目標状態に変換するための行動系列(プラン)をいわゆる深い推論を用いて探索することである。こうして求められたプランに従って,システムはそのアクチュエータを通じて外界に作用し,目標状態を達成する