【タイ】反タクシン元首相派団体「民主主義のための市民同盟(PAD)」のデモ隊数千人と警官隊が10月7日、バンコク都内の国会議事堂周辺で衝突し、2 人が死亡、400人以上が重軽傷を負った。9月下旬に発足したタクシン派ソムチャーイ政権は反タクシン派との対話路線を掲げ、PAD、野党民主党がこれに応じる姿勢をみせていたが、衝突により雪解けムードは吹き飛んだ。両派の対立により、タイの民主主義、法治は機能不全に陥りつつある。 タクシン派パランプラチャーチョン党(PPP)を主体とする6党連立政権は、サマック前首相が憲法の副業禁止規定に違反し9月9日に失職したことを受け、タクシン氏の義弟であるソムチャーイ元法務次官(61)を首相に指名、9月下旬に新内閣が発足した。ソムチャーイ首相は就任早々、アピシット民主党党首 (44)と上下両院議長による4者会談で、新憲法制定に向けた憲法制定議会の設置に原則合意。タクシ