■ 日本の経済社会の特色は、「老舗企業」が矢鱈に多いということである。 日本橋辺りに行けば、そうしたものは、当然のように眼にはいる。 京都には、それよりも、多くの数があるのであろう。 驚くのは、千年続いた企業というのがあって、それは、宮大工の会社だそうである。 日本の「保守主義」の精神を最も鮮やかに体現しているのは、こうした幾多の「老舗会社」ではないであろうか。 こうした「老舗企業」が続くのは、何故であろうか。 それは、「昔、立派であったから…」ということだけで存続しているわけでもないし、その「過去の遺産」だけで食いつないでいるわけでもない。 それは、それぞれの時代の当主を中心とした多くの人々の「現在進行形の努力」の集積でしかない。それぞれの世代が、「周囲の評判を落とさぬように…」ということを心がけて、日々、努力を続け、その努力が子々孫々にまで受け継がれてこそ、「老舗」が「老舗」となってい