学生時代には、コップ半分のビールで気分が悪くなった。典型的な下戸で、中年になって飲むようになったのは、ヤケ酒のおかげである。飲むしか仕方がない。そう思ってひたすら飲む。 それを続けると、どんどん酒量が上がる。肝臓がアルコールの分解に必要な酵素を余分に産生するようになるらしい。 飲まなければ、酵素ができてこないから、飲まずにいると、またすぐ飲めなくなる。だから、毎日一生懸命に飲む。そんなに無理して、なぜ飲まなきゃいけないのか。この種の質問はすぐに出てくる。面白くない。 ひたすら飲むしかない。そう思い詰める。そういう事態があってもいいではないか。その原因を、本人が理性的に把握している。この種の質問には、そういう前提がある。そこが気に入らない。 人が何かするときに、やっている本人だから、やる理由を把握しているだろう。そう想定するのは、あまりにも安易である。自分が現に生きている。その理由を端的に説
