1990年にオウム真理教の麻原彰晃始め信者25人が衆議院選挙に立候補し、全員落選した。オウムは政治に参入することが叶わずに、むしろ敵対するようになった。一方で統一教会は、自ら表舞台に出ることなく、着々と政治家との関係を深めていった。 統一教会はどんな手法を使って勢力を伸ばしてきたのか。『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』(2022年9月26日刊行、小学館)の著者でジャーナリストの鈴木エイト氏に聞いた。 統一教会の勢力拡大のウラに自民党 ――新興宗教はたくさんありますが、こんなにも統一教会が勢力を伸ばせたのはなぜなのでしょうか。 鈴木エイト(以下、鈴木):統一教会の日本での本格的な活動の始まりは、岸信介さんが首相公邸として使っていた建物の隣に、統一教会が入ってきたことです。それで文鮮明とかなり親しくなったようです。韓国での教団結成は1954年で、その時は反共と言っておらず、その後、何年か