近畿大水産研究所の奄美実験場(鹿児島県瀬戸内町)で、高級魚「クエ」と、同じハタ科の大型魚「タマカイ」を交配した交雑魚「クエタマ」の研究が進められている。 クエの養殖は、出荷される大きさに育つまで4~6年かかるが、成長が早いタマカイと交配させることで、約4倍の早さで成長するという。効率的な養殖法の開発を進め、商品化を目指したい考えだ。 クエは九州地方でアラと呼ばれ、刺し身や鍋料理の食材として人気がある。同大は、「近大マグロ」のようなブランド化を目指して養殖に取り組んできたが、成長が遅いのが難点だった。 そこで、水産研の 升間主計 ( ますましゅけい ) 所長(水産増殖学)らがタマカイと交配させることで成長を早めさせる方法を考案。マレーシアで養殖していたタマカイの精子とクエの卵を交配させ、2014年、「クエタマ」の誕生に成功した。