ビデオゲームの語り部たち 第8部:横井軍平氏の遺志を受け継ぎながら,新しい道を探し続ける株式会社コトの現在 ライター:黒川文雄 ゲーム好きの人であれば,かつて任天堂で数多くの商品やソフト開発に携わった横井軍平氏のことはよくご存じだろう。 横井氏が不慮の事故でこの世を去ったのは,1997年10月4日のことだった。それから21年が経ち,時代は移り変わって,歴史にも新たなページが次々に加わっている。 そんな中で,かつてゲーム業界に知れわたっていた横井氏の名前や,彼の開発思想と呼ぶべき「枯れた技術の水平思考」という言葉を知らない人が増えてくるのも,仕方がないことなのかもしれない。しかし,横井氏の思考や技術がビデオゲームの発展にもたらしたものは,計り知れない。 今回の「ビデオゲームの語り部たち」では,横井氏が残したものや,氏が設立した会社「コト」が,横井氏の意志を受け継ぎつつ,新たに生み出したものを